火焔の凶器: 天久鷹央の事件カルテ（★★★★☆）

火焔の凶器: 天久鷹央の事件カルテ (新潮文庫ｎｅｘ)

安倍晴明と同時代に生きた平安時代の陰陽師・蘆屋炎蔵の墓を調査した大学准教授が、不審な死を遂げる。死因は焼死。火の気がないところで、いきなり身体が発火しての死亡だった。殺人。事故。呪い。さまざまな憶測が飛び交う中、天医会総合病院の女医・天久鷹央は真実を求め、調査を開始する。だが、それは事件の始まりに過ぎなかった…。現役の医師が描く本格医療ミステリー!

今回は呪いによって引き起こされたと騒がれている人体発火現象の謎に挑む。清明や蘆谷道満のワードが出た時にちょっとワクワクしました。鷹央と小鳥のコンビの安定感が素晴らしい、葵のキャラも魅力的でしたが二人の絆を目の当たりにしたら諦めるよね。鷹央の「小鳥…おんぶ」という発言には突っこみそうになった（笑）
複雑そうにみえた事件も色々な人の思惑が重なったからこそ。主犯には同情してしまうけど、巻き込まれた人間からしたらたまったもんじゃないよなと。例のあの人はあんな大胆な行動するぐらなら、もっと早く主犯に手を差しのべれば良かったのに、とも思ってしまう。小鳥が鷹央と過ごせる時間もあと少し、そこら辺の小鳥の処遇も気になる。