幻影の手術室: 天久鷹央の事件カルテ (★★★★☆)

手術室での不可能犯罪。なぜ麻酔医は死んだのか。手術後のオペ室で起きた医師死亡事件。記録用のビデオに録画されていたのは、一人の麻酔医が「見えない誰か」と必死に格闘し、その末に絶命する場面だった。手術室は密室。容疑者は全身麻酔で身動きのとれない患者のみ。西東京市・清和総合病院で起きた不可能犯罪に対し、天才女医・天久鷹央は独自の捜査に乗り出すが……。事件に隠された“病”を解き明かす、本格医療ミステリ。
シリーズ6冊目。今回は鴻ノ池が容疑者扱いをされ、色々ピンチなところを助ける為に鷹央と小鳥が謎を解き明かす。他人の気持ちに鈍い鷹央が鴻ノ池の為に行動する姿に少しづつ成長しているんだなと。落ち込む鴻ノ池を励ます小鳥は相変わらず良い奴でした。
確実な証拠もないのに鴻ノ池を逮捕しようとする警察にムカッときましたが、成瀬さんがなんだかんだいって誠実な人で良かったです。最後まで鴻ノ池を大切に思っていた湯浅にジーンときました。それだけに犯人の自分勝手さには呆れるばかり。湯浅からのメッセージをきちんと受け取って、前に進もうとする鴻ノ池を見て安心しました。鴻ノ池が統括診断部にきたら賑やかになりますが、小鳥的には大変そうですね(笑)