嘘嘘嘘、でも愛してる(★★★★☆)

嘘嘘嘘、でも愛してる (ファンタジア文庫)
■あらすじ
ヒロインは、全員嘘つき。嘘だらけのハリボテラブコメディ。記憶喪失の俺はなぜかクラスメイト、幼馴染、女友達の美少女三人から毎日アプローチを受けまくってる。男なら誰もが憧れるシチュエーションの日々、羨ましいだろ? ……この中に俺を殺そうとした子がいる以外は。

■感想
交通事故により記憶喪失になってしまった主人公が三人のヒロインと過ごす内に事故の真相を知っていく青春ミステリ。主人公・くー助と各ヒロインによるテンポの良い会話は面白かったし、全体的に読みやすかったです。私は霙推し!マイペースな食欲魔神可愛かった。各ヒロインが主人公に対して嘘をついているわけですが霙の嘘が一番健気で微笑ましかった。最後もきっちりくー助を助けてるし!
真相に関してはヤンデレとヤバいヤンデレがいた、という感じ。犯人に対してのくー助の態度は甘くもあり、潔さも感じられました。くー助の最後の選択については何もいうまい。私は霙が一番だと思うよ、以上。

城なし城主の英雄譚2 彼女の愛が止まらない!(★★★★☆)

城なし城主の英雄譚2 彼女の愛が止まらない! (GA文庫)
■あらすじ
中型古城に挑み人員の不足を感じたレオンは、一人の傭兵少女を雇う。彼女――アリスティアは、危うい言動と、露出高めな真紅の衣装で誘惑を振りまく竜人の女の子。しかしその実力は本物で、レオンとすぐに完璧な連携をとりはじめる。心強い彼女の加入に、中型古城の攻略も目前と息巻くレオンだが――。「アタシねぇ、彼女が欲しがってるモノを奪うの、大好きなのよ」実はアリスティアは、とある少女への歪んだ執着から、レオンに接触してきており……!?剣と魔法の英雄譚第二弾!

■感想
シリーズ2冊目。今回はオリヴィアの幼馴染・アリスティアが登場し、良い感じに物語を掻き乱してくれました。愛情表現は歪だけどアリスティアにとってオリヴィアが大切な存在であることは確か、オリヴィアもアリスティアの気持ちを理解しようとしていて二人の関係が深まったのを感じました。リシアも頑張っていて成長してた…!
自分の認証エラーにしてしまう体質にようやく気付いたレオン、どうやってハーレム作るんだろうか。そして遂にオリヴィアの一夫多妻制にミネットが賛同した!ハーレムのメンバーなら揃いつつありますよ。次回はどんな古城を攻略していくのか、楽しみです。

超高度かわいい諜報戦 ~とっても奥手な黒姫さん~(★★★★☆)

超高度かわいい諜報戦 ~とっても奥手な黒姫さん~【電子特典付き】 (MF文庫J)
■あらすじ
「凡田君と、もっと仲良くなりたいの!」高校生にして秘密諜報機関を指揮する天才少女、橘黒姫は初恋の真っ最中。好きな人のために組織の力を濫用し、超高度な諜報技術で接触を図る。「…誰かに監視されている?」それに勘づいたのは初恋相手・凡田純一。一見影の薄い平凡な男子生徒の彼は、実はある秘密を持っていて…?「私が…凡田君と友達になるの!?」そんな中、組織の命令で凡田と接触することになった暗殺少女・芹沢明希星。友達の作り方なんて知らない彼女の行動は、とんでもない波乱を巻き起こす!高校生の三角関係に裏社会の命運が揺るがされていく超本格学園スパイ・ラブコメ、開幕。

■感想
秘密諜報機関のボスである天才少女・黒姫は初恋の相手・凡田と仲良くなる為に組織の人員を使って作戦を遂行していく。薫子をはじめとして振り回されている皆さんお疲れ様です。結局のところ裏事情を知らない明希星が凡田に接近することで黒姫が苦しむ、という悪循環に…。正直明希星がメインヒロイン?と誤解しそうになるほど活躍してました、二人の境遇が普通の生徒だったら良いコンビになってたんじゃないかな。
仕事の時とのギャップがありすぎな黒姫ですが、終盤に明希星に問い詰める場面はさすがの迫力でした。せっかく抱きついて明希星もアドバイスしたのに凡田からは好意を理解されず残念。チェシャもいるし今後ますます状況は厳しくなりそう。でも明希星も参戦したらもっと面白くなりそう。

城なし城主の英雄譚 彼女のファイアボールが当たらない!(★★★★☆)

城なし城主の英雄譚 彼女のファイアボールが当たらない! (GA文庫)
■あらすじ
「僕の将来のクラン・メンバー、家族になってくれないだろうか?」モンスターが跋扈する遺跡・古城を攻略し、所有する集団―クランの設立を夢見る少年・レオン。彼はある日、ノーコンな自称天才魔導士の少女・リシアと出会う。「家族って、こ、公私ともに?」「いや、僕のクランはハーレムにしたいし」「アンタわりかし最低ね!」そんなノリで組みはじめた二人はしかし、大型古城を支配する竜人姉妹や、有名クランを率いる獣人王と出会い戦っていく中で、彼らだけの城、彼らだけの最高のクランを創り上げていく―!二人の絆でどんな強敵も討ち倒せ!攻城戦から始める剣と魔法の英雄譚!第11回GA文庫大賞奨励賞受賞。

■感想
クラン設立を夢見る少年とノーコン魔導士少女がタッグを組んで古城攻略を目指す正統派ファンタジー。王道ともいえる設定で読みやすかった。個人的にはリシアより断然オリヴィア派、ヴェルナー戦での彼女の気高さに惚れました。リシアは最初の印象がよろしくなかった…。恋愛では迷走気味ですが(笑)ローレンツさんは腹黒い…。
レオンの能力がチート過ぎ、なんでこんな能力があるのかは明かされてませんが姉貴分あたりが何か知っているのかな?しかし古城攻略を目指してるのに…、レオンが不憫なので早く自分の能力に気づいてほしい。続きは明日出るようなのでとりあえず買います。

お前らどれだけ俺のこと好きだったんだよ!(★★★★☆)

お前らどれだけ俺のこと好きだったんだよ! (GA文庫)
■あらすじ
「俺を側に置きたい?…何故だ!?」初めての恋人に僅か一週間でフラれた芦宮隆人は、かつて交流のあった学園のカリスマ、才媛の後輩―月ノ瀬白雪に秘密の部屋へ誘われる。(コイツ、まさか俺に気が―!?いや、単にからかうつもりか…!?)失恋をイジられてなるものかと身がまえる隆人。かたや、隆人に恋人ができたショックで寝込むまで己の恋心に気づかなかった白雪は、素直になりきれず、隆人から告白させようと恋の駆け引きを仕掛けていた!!(失敗したぁあ。わたしのばか―!)白雪は隆人へと迫るが、恋愛経験と知識に乏しく気づかれない!?恋愛に疎過ぎる才女たちとの駆け引きラブコメ『告白待ちバトル』開幕!

■感想
基本的にスペックが高いのに恋愛に関してはポンコツのヒロインズと主人公が繰り広げる拗らせ気味のラブコメツンデレ令嬢の後輩・ロリ気味年上幼馴染・無気力系クラスメイト、ヒロインズに関してはバランス良く揃っていて皆可愛らしい。皆の矢印は隆人に向いているけど誰一人としてお互いの好意に気付かない鈍感スキル持ち。
個人的には白雪推し、恋愛のことになるとダメダメになるギャップがいい。涙ぐましい努力が実る日がくるのだろうか。隆人は主人公としてもうちょい頑張ってくれ。最後は全員第二天文部に集結、本格的な恋愛合戦はこれからですね。次回に期待ということで。

異世界居酒屋「のぶ」六杯目(★★★★☆)

異世界居酒屋「のぶ」六杯目 (宝島社文庫)
■あらすじ
古都は大市も終わり、秋が深まり冬が近づいていた。新たな運河を海まで通す計画が進む中、侯爵家の当主となったアルヌも、古都がよりよくなるように邁進している。そんなアルヌには婚約者がいる。“凍てつく島”と呼ばれる北方の国にいる“銀の虹”の髪を持つ乙女なのだが、その地方では古くから、男が女を攫うようにして結婚をする「掠奪婚」の風習が残っていた。アルヌはこの結婚、一体どうする…?

■感想
シリーズ6冊目。いつも通りの居酒屋のぶの風景に読んでいるとまったりした気分になる。「掠奪婚」という物騒なワードには少し驚きましたが(笑)オーサさん、なんてお転婆な御嬢さんなんだ…。しのぶやリオンティーヌをはじめとして女性陣強し。不安定だった彼女の気持ちをアルヌが優しく受け止めてハッピーエンド、オデンのダイコン天ぷら美味しそう。
最後の大将としのぶの間に流れる静かな雰囲気が好きです。しのぶの心配が杞憂に終わって良かった。異世界の材料で豆腐を作るとかハンスはどんどん成長している。活気づき始めた古都、居酒屋のぶの料理が人々にどんな感動を与えるのか。次回も楽しみ。ドラマ化が気になる…!

咎人の刻印(★★★★☆)

咎人の刻印 (小学館文庫 C あ 6-1 キャラブン!)
■あらすじ
「令和の切り裂きジャック」と畏れられる殺人鬼・神無が、自分に愛を告げる女を手にかける理由は――相手の体を裂いてまで探しているものは、たったひとつだ。「人は、誰かに対して『愛してる』って言うだろ。でも、その愛って何処にあるんだろうと思って」探しものを見つけることができない青年の前に現れたのは、陶器人形のような美しい少年・御影。「それが欲しいなら、おいで。愛してあげる」神無が招かれたのは、都心にあってそこだけ異空間のような古びた洋館だった。ここで一緒に暮らすのだと、御影は平然と神無に告げる。そのあまりに強引な展開に戸惑う暇もなく、すぐに神無は身をもって御影の正体を知ることになる。御影は、ひとの生き血を吸う吸血鬼だったのだ。これは、罪を犯して人の道を外れ、罰の証の如くスティグマと呼ばれる刻印を身に宿した、異能の者達の、血塗られた戦いの物語。……究極のダークファンタジー、始動!

■感想
愛とは何なのか、過去のトラウマにより自分に愛を告げる女性を切り裂いてきた神無。今までの著者の作品と比べると主人公の設定がとても重い。それは相棒となる吸血鬼の御影も一緒で、自殺してしまった大切な弟の身体を食べてしまう。互いに必要としていたのは愛情であり二人は少しずつかけがえのない存在となっていく。そこら辺の友情関係はいつも通りで吸血シーンも含めてごちそうさまです。
たとえ劣悪な家庭環境のせいで傷ついていたとしても神無が人殺しであることに変わりはない。だけど自分の過去をきちんと振り返って受け止めようとする姿勢には好感が持てる。御影が時任にいった「どんな理由があろうと、罪は罪で過ちは過ちです」はその通りだと思った。二人にはこれからも仲良く暮らしてのほしいものです。