<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 12.アイのカタチ(★★★★☆)

<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 12.アイのカタチ (HJ文庫)
■あらすじ
恋模様が咲き乱れる……!決闘都市ギデオンにて、愛闘祭という街を挙げての大きなお祭りが開かれることになった。アズライトからの依頼により、護衛をしつつ、参加することになったレイ。愛をモチーフにしたその祭で、様々な人々の恋模様が咲き乱れる中、ある意味最高のタイミングで監獄から出所してきた【狂王】ハンニャがついにフィガロと邂逅する――!!
レイたちは無事祭りを成功させることはできるのか!? 大人気VRMMOバトルファンジー、恋は戦いの第12巻! !

■感想
シリーズ12冊目。今回はフィガロとハンニャの恋愛模様がメイン、フィガロさんマジでイケメンでした。しかしハンニャの暴走で色々と苦労したシュウが哀れ、獣王との接触もあったし苦労が絶えない。レイの格好は突っ込みどころ満載でした(笑)大好きなトムが負けてしまった…。
そしてひしひしと感じる戦争の前触れ。妹を思ってこそのアズライトの行動が素敵。ツァンロンは良い子そうだけど何か隠してそうですね。お姉さん気質の迅羽が頼もしくてシュウからも頼りにされてるのが分かる、ていうか君子供だよね?今回は比較的平和だっただけに次回が怖い。

ひきこまり吸血姫の悶々(★★★★☆)

ひきこまり吸血姫の悶々 (GA文庫)
■あらすじ
「…ふぇ?な、なに?」引きこもりの少女テラコマリこと「コマリ」が目覚めると、なんと帝国の将軍に大抜擢されていた!しかもコマリが率いるのは、下克上が横行する血なまぐさい荒くれ部隊。名門吸血鬼の家系に生まれながら、血が嫌いなせいで「運動神経ダメ」「背が小さい」「魔法が使えない」と三拍子そろったコマリ。途方に暮れる彼女に、腹心(となってくれるはず)のメイドのヴィルが言った。「お任せください。必ずや部下どもを勘違いさせてみせましょう!」はったりと幸運を頼りに快進撃するコマリの姿を描いたコミカルファンタジー!引きこもりだけど、コマリは「やればできる子」!?第11回GA文庫大賞優秀賞受賞。

■感想
主人公・コマリの可愛さを讃えるギャグ全開のコメディかと思いきや終盤はシリアス要素もあって良いバランスでした。メイドのヴィルとの百合百合しい会話も面白かった。コマリの部隊の隊員逹がカオス過ぎてツッコミどころ満載、でもコマリ可愛い!は皆一致しているようで微笑ましい。
戦争と言っても死んでも生き返れるシステムなのでそんなに悲愴感はありません、戦争=デモンストレーションという突飛な設定。覚醒してからのコマリさんマジで強すぎ、ミリセントに対しての「おまえはあわれだな」という台詞にスカッとしました。コマリの大変な日々は続くようなので次回に期待。

竜と祭礼 ―魔法杖職人の見地から― (★★★★☆)

竜と祭礼 ―魔法杖職人の見地から― (GA文庫)
■あらすじ
「この杖、直してもらいます!」半人前の魔法杖職人であるイクスは、師の遺言により、ユーイという少女の杖を修理することになる。魔法の杖は、持ち主に合わせて作られるため千差万別。とくに伝説の職人であった師匠が手がけたユーイの杖は特別で、見たこともない材料で作られていた。未知の素材に悪戦苦闘するイクスだったが、ユーイや姉弟子のモルナたちの助けを借り、なんとか破損していた芯材の特定に成功する。それは、竜の心臓。しかし、この世界で、竜は1000年以上前に絶滅していた―。定められた修理期限は夏の終わりまで。一本の杖をめぐり、失われた竜を求める物語が始まる。第11回GA文庫大賞奨励賞受賞。

■感想
師の遺言によりユーイという少女の杖を修理することになったイクス。その杖に使われた「竜の心臓」を求めてイクス逹は奔走する。しっかりとファンタジーの世界を堪能できて満足。滅亡したはずの竜、ならば「竜の心臓」とは何かの暗喩なのか。少しずつ出される手がかりを元にイクス逹は真相にたどり着いていく。アグナスが優しかっただけに人間の醜さが露呈した形になったのが残念、彼の眠りが安らかなものでありますように。
トマは良い奴だけどユーイの言う通り立場が違えばどうしても分かり合えないこともある、それに気付けたユーイは聡い子だなと思いました。イクスはどう考えても院長の言葉通り優秀なので早く一人前の職人になってほしいものです。綺麗に終わってますがあとがきによると続きの準備もしているのだとか、気になります。

スパイ教室01 《花園》のリリィ(★★★★☆)

スパイ教室01 《花園》のリリィ (富士見ファンタジア文庫)
■あらすじ
陽炎パレス・共同生活のルール。一つ、七人で協力して生活すること。一つ、外出時は本気で遊ぶこと。一つ、あらゆる手段でもって僕を倒すこと。―各国がスパイによる、影の戦争を繰り広げる世界。任務成功率100%、しかし性格に難ありの凄腕スパイ・クラウスは、死亡率九割を超える“不可能任務”専門機関―灯―を創設する。しかし、選出されたメンバーは実践経験のない七人の少女たち。毒殺、トラップ、色仕掛け―任務達成のため、少女たちに残された唯一の手段は、クラウスに騙し合いで打ち勝つことだった!?一対七のスパイ心理戦!第32回ファンタジア大賞“大賞”作の痛快スパイファンタジー!!

■感想
大賞受賞作品。学校でも落ちこぼれの少女たちが凄腕のスパイ・クラウスの下で学びながら不可能任務に挑んでいく。リリィはトリックスター的な側面を持つキャラで普段はお調子者だけど自分の能力を使ってクラウスを殺そうとするところはやっぱりスパイなんだなと。最後の展開からしてどんどんリリィの能力も進化していきそうで楽しみ。
冷静沈着なクラウスも身内のことになると甘くなるというギャップが魅力的でした。大切な者を失ってしまった彼がリリィ逹と出会ったことで再び前へ進み出すことができて何より。叙述トリックお見事でした。新たなる敵も定まったので続きもありそう。

妖狐の執事はかしずかない 4(★★★★☆)

妖狐の執事はかしずかない 4 (富士見L文庫)
■あらすじ
街のあやかしの調停役“黄昏館”当主を継いだ高校生・高町遙。妖狐の執事・雅火と二人から始まった当主生活も、気付けば屋敷の従者や、街のあやかし、学校の友人達に囲まれる日々となっていた。夏休みに入った遙は、雅火や鎌鼬の料理人・疾風ら従者たちと、夏祭りや次の舞踏会の準備に追われることに。そんな多忙なある日、頼りの雅火が、突然屋敷から姿を消してしまって…?―執事の任を辞させて頂きます。新米当主と妖狐の執事。主従逆転コンビに、まさかの契約解消の危機…!?

■感想
シリーズ4冊目にして最終巻。これで終わりなのは寂しいけど綺麗にまとまっていました。それにしても遥は当主として本当に逞しくなった、雅火が出ていっても慌てずに彼の気持ちを汲み取って行動するとは…!疾風の話も良かったし、彩音も遥に心を開いてやっと従者になれてひと安心。彩音の方が弟っぽい(笑)
遥とみすずのつかの間の邂逅にはジーンときました、幸せな今をみすずに見せることができて良かったね!雅火が遥にネクタイを贈る場面が一番好きです、これからも末長くお幸せに!

異人館画廊 透明な絵と堕天使の誘惑(★★★★☆)

異人館画廊 透明な絵と堕天使の誘惑 (集英社オレンジ文庫)
■あらすじ
千景のもとに「―もうすぐ僕は、絵を完成させる。見た人を不幸にする絵だ…」と脅迫めいた手紙が届いた。消えた図像術の研究者、有名な心霊スポット「切山荘」、四つの絵…点と点が線となり、やがて千景の過去へと繋がっていく。誘われるように、自らの失った記憶に向き合おうとする千景を透磨は案じ、守ろうと二人の距離は近づいて―?待望の第六弾!!

■感想
シリーズ6冊目。千景の元に脅めいた手紙が届き事件に巻き込まれていく。事件に出会っていく内に千景の失った記憶とも向き合うことになり、少しずつ過去が明らかになっていく。誰かを傷付ける為ではなく助ける為に絵を描いていた、その事実が千景の救いになってくれればいい。
カゲロウの千景に対する想いのスタンスが好きです、癒し系キャラだ。千景と透磨の距離もぐっと近付いてくれて嬉しい、それだけに次回あたりに大きな試練があるのでは?と勘繰ってしまいます。千景の父親もちらっと登場しましたが久しぶりの親子の再会が他人の振りというのは悲しい、でも千景が強くなったのならいいのかしら。

陰に隠れてた俺が魔王軍に入って本当の幸せを掴むまで(★★★★☆)

陰に隠れてた俺が魔王軍に入って本当の幸せを掴むまで【電子特別版】 (角川スニーカー文庫)
■あらすじ
完全無欠の主人公体質な親友の陰に隠れて、本気出す気ゼロだった俺・クロムウェル。ゆるく生きるつもりだったのに、魔王軍からの襲撃でその日常は一変した。隠してた“本気の魔法”で魔王に対抗してみたら、いきなり指揮官としてスカウトされることに!?成り行きで始めた魔王軍の改革だったが、おもいつきの改革案で魔族幹部に認められたり、任務の途中で魔族の幼女を拾ったり、その上サキュバスの美人秘書・セリスと一緒に暮らしていくうちにだんだんと距離が縮まっていって…!こうなったら、第2の人生、好き勝手に楽しんでやる!これは俺が魔王軍に引き抜かれて、本当の幸せを掴む物語。最強×ほのぼのファンタジー!第4回カクヨムWeb小説コンテスト・異世界ファンタジー部門特別賞受賞作。

■感想
主人公体質の親友のせいで陰キャラになってしまうクロムウェル。本当は親友よりも強い実力の持ち主であり、魔王に指揮官としてスカウトされて第二の人生を歩み始める。美人の秘書兼嫁候補と可愛い娘と出会えたのだからクロ的には魔王側について正解なのでは…?魔王・ルシフェルも緩いしなんか楽しそう(笑)セリスとの喧嘩しつつも互いに少しずつ認め合う過程も初々しくて可愛い。
デュラハンのように次回も幹部を手懐けていくのかな。クロが人間と魔王軍との架け橋的存在になればいいけど簡単にはいかないだろうな。親友サイドの方が深刻な状況っぽいけど再会したらどうなることやら。次回も楽しみです。