ワトソン・ザ・リッパー ~さる名探偵助手の誰にも話せない過去~ (★★★★☆)

ワトソン・ザ・リッパー ~さる名探偵助手の誰にも話せない過去~ (LINE文庫エッジ)
■あらすじ
十九世紀、「世界の半分を所有した」大英帝国の首都・ロンドン。カトリックの若き神父、ジェイムス・H・オーランドは、ロンドンを賑わす殺人鬼『切り裂きジャック』に狙われる少女・マーガレットの警護にあたる。簡単な任務と思われたが、突如現れた異能の悪魔、そして謎の機械・蒸気甲冑までもがオーランドに襲いかかり、事態は予測不可能な展開へ…?霧と蒸気、悪魔と探偵が闊歩する街ロンドンを舞台に、新たな物語が今、幕を開ける!

■感想
シャーロック・ホームズ切り裂きジャックなど心ときめくワードだったので購入。悪魔や異能力者も普通に出るのでこれでもかというほどアレンジされていましたが面白かったです。切り裂きジャックとはいったい何者なのか、マーガレットのことを思うといたたまれない。せめて子供が健やかに育ちますように。
素直なモモが癒しでした。フェイと出会ったことによりオーランドの運命は大きく変わりましたが、抑圧された教会で生きていくよりはずっといいだろう。綺麗にまとまっていますが続きがあるならぜひ。

この素晴らしい世界に祝福を!エクストラ あの愚か者にも脚光を!6 騎士の誓いをあなたに(★★★★☆)

この素晴らしい世界に祝福を!エクストラ あの愚か者にも脚光を!6 騎士の誓いをあなたに (角川スニーカー文庫)
■あらすじ
かつての相棒フェイトフォーから、元主であるリオノール姫の来訪を聞かされた。身の危険を察知したダストはアクセルを離れようとするが、気づけばリーンと姫様が入れ替わっていて!?「久しぶりね、ライン・シェイカー。しばらく冒険者として暮らすことにしたから、よろしくね!」昔と変わらず自由奔放すぎる姫様に振り回されるダスト。一方、リオノール姫の身代わりとして屋敷に囚われたリーンは、遂にダストの過去を知る事となって―。果たして、王国随一の天才と謳われたドラゴンナイトが国を追われた理由とは?駆け出し冒険者の街に身を潜めていたチンピラ冒険者が今、再び騎士の誓いを立てる!

■感想
シリーズ6冊目。今回から本格的にリオノール姫が参戦、ダストの過去もようやく明らかに。姫が思った以上に破天荒でダストの変貌っぷりが凄い。姫のおてんばっぷりに困惑しつつも惹かれていく王道展開が良かった。好きだからこそ自分の地位も捨てて姫の我が儘に付き合うダストさんイケメン。
過去と現在、どちらも大切だけどダストはきちんと答えを出してリーンを迎えに行く。リーンもいいけどダストと姫がお似合いだっただけになんか切ないっす。マスコットキャラのフェイトフォーに癒された。区切りがいいですが続きはあるのかな?

櫻子さんの足下には死体が埋まっている わたしを殺したお人形(★★★★★)

櫻子さんの足下には死体が埋まっている わたしを殺したお人形 (角川文庫)
■あらすじ
北海道・旭川。冬の川で、僕、正太郎は櫻子さんと、無残なご遺体を「拾った」。けれど彼女となら、そんな日々すら続けばいいと願ってしまう。そんな僕のもとに、新聞記者の八鍬士という人が現れた。事件に遭遇しがちな僕らを怪しんでいるらしい。彼は櫻子さんに、美しい頭蓋骨の写真を見せた。事故の被害者が持ち歩いていたという、女性の頭蓋骨。そして僕らに「探偵ごっこを見せてほしい」と言い出し…。櫻子さん真骨頂の物語!!

■感想
事件によく遭遇する正太郎逹を怪しむ新聞記者・八鍬に誘われてある事件に首を突っ込むことに。高校生で自分の将来のビジョンがしっかりしている正太郎逹が凄い。ミステリ部分は話が二転三転していきスリルがあって面白かった。せっかく人命救助したのにあんなこといわれる正太郎が可哀想。
花房が既に故人であるならば結局のところ正太郎を脅かしているのは同じ考えを共有する「集団」ということなのか。そして最後の急展開が…、追い詰められた正太郎がどんな選択をするのだろうか。櫻子さん助けてあげて!次回が待ち遠しい。

カカノムモノ3 :呪いを欲しがった者たち(★★★★☆)

カカノムモノ3―呪いを欲しがった者たち―(新潮文庫)
■あらすじ
母なる女神よ俺の声は届いていますか? 生きることに前向きになり始めた碧だったが、一方で相棒の桐島の元に不穏な影が迫っていた。彼の過去を無遠慮に暴き立てるその人物の目的もわからないまま、桐島は追い詰められていく。あえて遠ざけられた碧は、従兄の涼から、カカノムモノを呪いから解放するための衝撃的な方法を告げられる。はたして碧はどんな決断を下すのか。そして呪いの意味とは──。シリーズ最終巻。

■感想
シリーズ3冊目。律の過去から始まり、最終的に暴走する涼を止める為に碧逹は奔走する。なぜ自分は選ばれなかったのか、そんな心のしこりを抱えながら感情が欠如していることも相まって自分が分からなくなる涼。碧が人間でいることを選択してくれて良かった、やっぱり桐島さんの影響が強いんだろうな。涼には律と一緒に穏やかに生きてほしい。
魚に還ることこそが女神の慈悲、という正解に成る程と納得。最後に碧が桐島さんに素直に甘えていたのが微笑ましい、二人には末長く付き合ってほしい。水琴メインの短編は本編と雰囲気が違って明るくて調度いい塩梅でした。

天才少女Aと告白するノベルゲーム(★★★★☆)

天才少女Aと告白するノベルゲーム (ファミ通文庫)
■あらすじ
大好きなフリーゲーム制作者Aに会うため、桜山学園ゲーム制作部に入った水谷湊。しかしAと思われる部長の菖蒲は不登校になっていた。彼女の幼馴染みで学園きっての変わり者由井と、菖蒲が学校に来るよう企画をたてるも不発に終わってしまう。大人しくゲーム作りに励む湊のもとに、ひとつのノベルゲームが送られてきた。『バッドエンドを探せ』と題されたゲームには菖蒲と部員のトラブルが綴られてゆく。これは告発? それとも――。

■感想
ゲーム制作部の人間関係をめぐる青春ミステリ。過去に桜山学園・ゲーム制作部が作った「鬼ヶ島」によって死人が出てしまう。その死の真相はほろ苦くて、でも自業自得ともいえる。菖蒲が由井のようにはっきりと言えるタイプだったら…とも思うけど、菖蒲が由井といることを選択したのは正解だったと思う。
湊のお爺ちゃん素敵だな。湊がきちんと自分と母親の関係を考えた上で出した答えも良かったと思う。湊の中ではトラウマになってるしな…。菖蒲も由井も嘘をつく必要がなくなったわけだし、これからは好きなゲームをどんどん製作所出来ますように。

2019年を振り返って

皆様年末年始はどうお過ごしでしょうか。
2019年最後の日は家に引きこもって大掃除をしていました。やっぱり新年ぐらいは綺麗な部屋で過ごしたいからね…!
個人的ニュースは今年もこれといってありませんが、来年を思うと仕事方面で嫌な意味で大打撃がありそうで今から憂鬱です。仕事辞めたいと何度も思うけどラノベを買うためにも辞めるわけにはいかないんですよね。
今年もたくさんのラノベに精神的に助けられました。感想かけてないだけで実はもっと読んでます。来年もぼちぼち更新していきたいです。こんな秘境を覗いてくださっている方、有り難うございます。それでは皆様良いお年を!

1LDK、そして2JK。 ~26歳サラリーマン、女子高生二人と同居始めました~(★★★★☆)

1LDK、そして2JK。 ~26歳サラリーマン、女子高生二人と同居始めました~ (富士見ファンタジア文庫)
■あらすじ
「…そのぉ…お久しぶり、です」「(…マジかよ)」父の頼みで、疎遠だったギャルJKの従妹・奏音を預かることになった、独り身のサラリーマン・駒村。急な生活の変化に頭を抱えながら仕事に行くと―「今晩泊めてもらえないでしょうか…?」「なあ、家に帰った方が―」「それだけは絶対に嫌です」「(…)」街中で途方に暮れていた家出JK・ひまりも、あれよあれよと強引に転がり込んできて―。「かず兄、ひまり。今日はすき焼きにしたよ」「駒村さん。お、お背中流しますね…!」「お前ら早く寝ろ!」奇妙な同居は突然に。JK二人と紡ぐ、ほっこり温かいホームラブコメ

■感想
疎遠だった従妹の奏音・家出中で住む場所を探していたひまり。二人の女子高生と同居することになった独身サラリーマンのお話。仲良きことは美しきかな、ということで3人でワイワイやってる場面は癒される。奏音もひまりも両親の存在がネックになっていて二人にとって最良の形で解決してほしいです。
冴えないようでいて自分のことを親身になって考えてくれる異性がいたら惚れてしまうのも無理はない、まだ恋愛要素は少なめだけど次回からはそういった描写も増えそう。友梨さんは残念だけど勝ち目なさそう…。和輝も少しずつ二人を意識していけばいいと思います。面白かったので次回も期待。