女王オフィーリアよ、己の死の謎を解け

女王オフィーリアよ、己の死の謎を解け (富士見L文庫)

■あらすじ
私を殺したのは誰!? 女王は十日間だけ生き返り、自分を殺した犯人を探す「私は、私を殺した犯人を知りたい」死の間際、薄れゆく意識の中で女王オフィーリアはそう願う。すると、王冠の持ち主にだけ与えられる“古の約束”により、妖精王リアは十日間だけオフィーリアを生き返らせてくれた。「一度は死んだ身よ。ならば今度こそやりたいことを全てやってやるわ」オフィーリアを使って権力を握ろうとした夫、周囲に流されがちで頼りない弟、恋心を寄せてくる近衛騎士……
数え上げればキリがない犯人候補たち。
女王を殺したのは誰なのか!?生前の雪辱を晴らす強烈な平手打ちが炸裂する王宮ミステリー開幕!!

■感想
精霊の力を借りて自分を殺した犯人を突き止めようと10日間だけ生き返った女王・オフィーリア。弟や夫に平手打ちをして鬱憤を吐き出すという痛烈な展開がすごく面白くて爽快でした。貞淑であったオフィーリアがやっと殻を抜け出して飛び立つことが出来たかのように生き生きとしていて、とても魅力的なヒロインとして描かれていました。
夫のデイヴィッドがなかなかのくせ者でした、オフィーリアが変わってからの二人の会話は夫婦漫才のようで奥さん強し。弟のジョンはこのまま姉さんを支えてあげてくれ。ミステリ部分は勿論のことそれ以上にヒロインが魅力的な一冊でした。