100億人のヨリコさん(★★★★☆)

100億人のヨリコさん

100億人のヨリコさん

極貧学生寮の寮生たちが世界破滅の危機に挑む!…嘘みたいですが、ホントにそういうお話です。某大学キャンパスの奥の奥、深く大きな池と農学部演習林に挟まれた未開のエリアにあると噂される「富穰寮」。個性的すぎる学生その他(?)が住むという。緑色のキノコや医療用のアルコールをはじめ、奇妙な食材を取りそろえ、夜な夜な宴会が開かれているという。血まみれの女性が天井や窓の外に出現するという。その女性の名は、ヨリコさんだという。…あくまで噂。しかして、その実態は!?エンタメ史上に残る凶悪ヒロイン、大量出現!?圧倒的な熱量で奇想が暴走する、傑作パニックサスペンス!

極貧学生寮の寮生たちが時折見る血塗れの幽霊・ヨリコさん。寮生だけではなく全世界でヨリコさんを目撃する者が現れ、パニックになっていく。最初は極貧学生寮で逞しく生きる寮生たちの成長と物語かと思いきや、どんどんストーリーが奇想天外な方向へ進んでいったような気がします。グロいけど個性的なキャラ達のおかげでユーモアな部分もきちんと強調されていて似鳥さんらしい作品。
「パンツダケ」や「銘酒 死体洗い」など読んでる分には楽しいけど、私だったら絶対食べたくない(笑)富穰寮で生き抜く自信はない。ホラーな部分はなくても富穰寮の日常だけで面白いと思います。