ファイフステル・サーガ 再臨の魔王と聖女の傭兵団(★★★★☆)

「わたしも、あなたを夫として受け入れるわ」これより二年の後、古の魔王再臨し、人類は滅ぶ。絶望の未来を塗り替えるため、“アレンヘムの聖女”セシリアと婚約し、最強の傭兵団“狂嗤の団”の団長となる道を選んだカレル。“アレンヘムの聖女”が持つ『自分の死を夢見る』という悪夢に希望の力を見いだしたカレルは、死の運命を回避する力を持った英雄として五芒国平定のため動き出す。一方その頃、幼くして女王の座を引き継いだ妹のため、暗愚を演じ続けていた王子ヴェッセルも権謀術数に長けた英雄として歴史の表舞台に姿を現す。玉座の頂を目指す英雄たちの叙事詩が今、幕を開ける!

二年後再び魔王が降臨し、人類は滅びる。そんな絶望の未来を変えるために主人公・カレルは動き出す。正統派ファンタジーであり、安定した面白さ。カレル側は不利な戦況にもかかわらず、機転の良さを生かして逆転していく展開は清々しかった。暗愚をわざと演じているヴェッセルも実は賢い人物で段々と表舞台に出ていく、というのも好みの展開。カレルとはライバルのような友達のような関係になっていくのかな。
カレルとセシリアの関係性も今は夫婦というよりはお互いを支え合う仲間のような感じですかね。最後のクセのある人物の登場により、次回は更に厳しい戦いを強いられそう。カレルが困難をどのようにくぐり抜けていくのか、楽しみです。