砂の城 風の姫(★★★★☆)

砂の城 風の姫 (講談社X文庫)

砂の城 風の姫 (講談社X文庫)

天下四国―それは、天から授かりし四つの国。かつては徐国の王様だったが、今やすっかり風来坊の飛牙は、天令の那兪を連れ、代々女王が治める燕国へ。そこで偶然、家出中の名跡姫・甜湘と知り合い、なりゆきで飛牙は「胤」候補にされてしまう。胤とは未来の女王たる甜湘に、子を産ませるための制度上の夫のこと。しかも飛牙の前にいたという胤ふたりは、すでに不審死を遂げているらしく…。胸躍るシリーズ第二弾!

シリーズ2冊目は燕国編。 甜湘をさんざん悩ませていた胤制度がえげつない。たとえ女王になっても愛する人と結ばれたいという甜湘の思いは人間として尊重されるべきだし、その為に行動する逞しい彼女に好感が持てました。そして結構さらりと飛牙と甜湘が夫婦の契りを交わしている…!さすが飛牙というべきか。嫉妬する裏雲が夫の浮気を察知した妻のようで笑ってしまった。
肝心の裏雲の寿命については何の手がかりもなし。後2年というタイムリミットが辛いですね、飛牙には早く手がかりを掴んでほしい。何だかんだいいつつお人好しな那兪も飛牙とのコンビがいたについてきた様子、本人は嫌がりそうですが(笑)次巻は11月ということなので楽しみです。