分かれ道ノストラダムス(★★★★☆)

分かれ道ノストラダムス

分かれ道ノストラダムス

高校生のあさぎは、2年前に急逝した友人の基が遺した日記を譲り受ける。ある記述をきっかけに、彼が死なずに済んだ可能性を探ることにしたあさぎ。基の死は、ずっと心のしこりとなっていたのだ。クラスの男子・八女とともに、基の死の直前の行動を再現してみるが、そんなふたりを追う影があった…。一方、町では終末思想に影響された新興宗教団体の信者が、立て続けに謎の死を遂げるなど、不穏な動きを見せる。教団とあさぎたちの目的は、しだいに思いも寄らぬ形で交わってゆく。特別な意味をもつ夏、高校生のふたりが呑みこまれてゆく歪な世界。そこで、彼らは「分岐点」に立たされることに―。
2年前に急死した友人への想いを未だに引きずっている主人公・あさぎ。もしあの時こうしていれば…という想いはすごく理解できる。ノストラダムスもすごく懐かしい、世界滅亡とかあまり信じてなかったけど心の片隅に不安は抱えていました。黒幕は分かりやすかったかな。個人的にはあさぎと八女の距離が事件を通して少しずつ縮まっていく様子が微笑ましくて一番好きでした。八女は普段は冷静で大人しいけどいざとなったら行動的になるところが格好良かったです。エピローグを見る限りいつ恋に発展してもおかしくなさそう。二人の幸せな今後を想像しながら読了しました。