博物館のファントム 箕作博士の事件簿 (★★★★☆)

自然史博物館で働くことになった女性新人分類学者・池之端環。植物標本の整理を命じられ、未整理の標本や資料が大量に詰め込まれた旧館「赤煉瓦」に足を踏み入れた環が出会ったのは、そこに棲みつくファントムこと変人博物学者の箕作類。「どんなものも絶対に捨ててはならない」が口癖の箕作と、片付け魔の環のでこぼこコンビが、博物館で起こるさまざまな事件の解決に動き出す!
家族で出かけると自然と博物館関係が多かったりするので舞台裏では様々な分野の研究者たちが働いているんだなとワクワクしながら読みました。それにしても主人公・環の専門分野がこの博物館では異色、遺伝子情報を分類する為のソフトウェア開発か…。片付け魔の環と変人博物学者・箕作のやり取りが軽快で、いつのまにか周囲が箕作については環を頼るようになっているのが面白かった(笑)
個人的には「ベラドンナの沈黙」が好きです。素敵な復讐ですね、葉子さん格好いい。「送りオオカミ」の本来の意味は勉強になりました。最後の「異人類たちの子守唄」は環の成長が感じられ、箕作が一緒に研究したいと環を誘うラストにニヤニヤしました。続きが出たらまた読みたいです。