日曜は憧れの国(★★★★☆)

内気な中学二年生・千鶴は、母親の言いつけで四谷のカルチャーセンターの講座を受けることになる。退屈な日常が変わることを期待して料理教室に向かうと、明るく子供っぽい桃、ちゃっかりして現金な真紀、堅物な優等生の公子と出会う。四人は偶然にも同じ班となり、性 格の違いからぎくしゃくしつつも、調理を進めていく。ところが、教室内で盗難事件が発生して…というお話。
円居さんの作品にしてはインパクトが足りないなと思いましたが、タイプの違う高校生が事件を通して少しずつお互いのことを知って仲良くなっていく様子が丁寧に描かれていました。カルチャーセンターの響きが懐かしい、今はユーキ○ンとかの通信講座に押されがちであまり目にしなくなったような気がします。
一番最初の「レフトオーバーズ」は衛生的によいのかしら、とつい思ってしまうような真相でした。この人の講座はとりたくないわ−。「幾度もリグレット」は私も課題について考えてしまいました。千鶴の小説は確かに素敵でした、私だったらどうかいていただろうか…。憧れの先生の講座ということで張り切る公子が可愛かったです。またこの四人組で何かしらのお話をかいてほしいです。