「君を愛することはない」と言った氷の魔術師様の片思い相手が、変装した私だった

■感想

家族から冷遇されて育った伯爵令嬢のフィーネ、しかし裏の顔は最強と名高い「黎明の魔女」。政略結婚の相手・シオンは「黎明の魔女」に恋をしていて···。

フィーネが思いの外パワフルで暴れまくってました(笑)そんな彼女に頭を悩ませながらも父のようにフィーネを見守る幽霊さんとの関係が和みました、最後消えてしまうかと思ったのでホッとしました。

恋愛は二人とも奥手なので焦れったかったですが、それがまた良かったです。その後を描いたシオン視点の書き下ろしの糖度が高くて本編で糖度が足りなかった方はぜひ。

ネットの『推し』とリアルの『推し』が隣に引っ越してきた 1

■感想

推しのvtuberや声優、幼馴染が同じマンションに引っ越してくることに。というラノベならではのご都合主義的展開ですが、主人公・蒼馬がヒロインズの兄のように世話焼きで誠実な青年なのでそこら辺も飲み込んだ上で楽しく読めました。

蒼馬の憧れとは裏腹にvtuberの静は実は生活能力ゼロのポンコツ、お姉様タイプの声優・ひよりは酒癖が悪い。そして妹ポジションの真冬はヤンデレ。癖のあるヒロインズとの食卓シーンも和やかでほんわかとした気持ちになりました。

個人的にはどんどんヤンデレ化していく真冬が面白かったです。ぜひ続きを読みたい一冊。

魔女の怪談は手をつないで 星見星子が語るゴーストシステム

■感想
オカルト好きな人気配信アイドル・星子とその幼馴染の僕が、魔女を名乗る少女の力で怪談の世界に入り込むことに。
あーちゃんが語る怪談話はオーソドックスな話ばかり。そんな中に時折心にひっかかるような不可解なピースが混ざっていて、うきぼりになっていく「僕」と星子についての謎。伏線のはり方が絶妙で最後まで一気に読んでしまいました。
星子に後を託した「僕」の決断のおかげで丸く収まったかと思いきや、「あとがきの後に······」でズドンと落とされた感じ。えっ!?

薬屋のひとりごと 13

■感想

西都での騒動も一段落して都へ戻った猫猫達、今回は猫猫の周辺の人々を中心にストーリーが進んでいく。

胡散臭い羅半がいつの間にかモテている(笑)昔馴染みのクールな三番か、はたまた純真で頑張り屋の燕燕に軍配が上がるのか全然分かりません。

阿多の皇帝への気持ちが切なくてしんみりとしてしまいました。自由に生きたかった阿多、でも今でも彼女を側から離さない皇帝のことを考えると退位したら離宮で暮らしそう···。

阿多との会話やその後の展開から猫猫の覚悟や想いが既に固まっているのは伝わってきたので周りの状況さえ整えれば一気に関係が進みそうですね。

 

僕たちの幕が上がる 決戦のオネーギン

■感想

シリーズ2冊目。前回は勝とカイトの物語だったが、そこに新キャラの未来哉が加わる。カイトが勝のことを自分にとって「太陽」だといっていたように、オネーギンと自分のあまりにかけ離れたキャラに苦戦しつつも持ち前のバイタリティと才能で乗り越えて輝いている姿は確かに太陽のようでした。

自分の容姿にコンプレックスを抱く未来哉に発破をかけるやり方が実にカイトらしかった。そんなカイトにどんどん懐いていく未来哉が可愛い。3人とも自分の好きなことにひたむきで眩しかったです。

勝は海山さんの舞台で成長してまたカイトと組んでほしいです。

最低キャラに転生した俺は生き残りたい1

■感想
生前よく遊んでいたゲームに転生してしまった主人公、しかも転生したキャラは悪役の中でも一番人気のないキャラで勇者に倒されるのを回避する為に冒険者になることに。
不人気といってもスペック自体はチートなのでトントン拍子で強くなっていきます。その為目立ってしまい、本人の意志とは反対にゲームの主要キャラ達と関わっていくに。まだ序章なので勇者は出てきませんが、がっつりゲームの本筋に絡んだ方が更に面白くなりそう。
ジンの相棒になるクロエは素直で優しいヒロインで、全体的にキャラにそこまで癖がないので読みやすいのが魅力的でした。

悪役令嬢の矜持(1)~私の破滅を対価に、最愛の人に祝福を。~

■感想

義姉の婚約者を奪い取り、我儘し放題な主人公・ウェルミィ。悪役令嬢の見本ともいえる彼女が抱える切実な想いが徐々に明かされていく。こういう他者を思って悪役になろうとするキャラに弱いので、ずっとウェルミィを応援していました。想いが通じ合った後の姉妹の仲良しっぷりが尊い

エイデスさんクールに見えてウェルミィには積極的で二人の恋模様もご馳走さまです。後半では色んなキャラの視点で話が進みますが、個人的にはウェルミィの母の長年の苦悩がやっと報われて良かったなと。ウェルミィの何倍も長く悪役を演じていたわけだし。健気に頑張る女の子が好きな方にはオススメです。