家政夫くんは名探偵! (★★★★☆)

家政夫くんは名探偵! (マイナビ出版ファン文庫)

家政夫くんは名探偵! (マイナビ出版ファン文庫)

仕事で忙しく、家事が行き届かなくなった刑事の怜は家事代行サービスを呼ぶことに―。そこにやって来たのは、きれいな顔立ちをした青年・光弥だった。黙々と仕事をこなす光弥との話題のひとつとして抱えている事件の話をすると、彼はあっと言う間に真相を言い当ててしまう―!

個人的に思ったよりもミステリ部分はしっかり骨組みされており、終盤で光弥の過去にも触れていくことで主人公・怜が長年抱えていた事件が解決していく展開は読みごたえがありました。最後はいくらか打ち解けたものの光弥はもう少し感情表現豊かだと魅力的だったのにな…。逆に怜は光弥を頼りにしているのが凄く分かりやすい(笑)
弟を死なせてしまったことにずっと責任を感じていた光弥と父親の足跡をずっと追い続けていた怜、やっと事件から解放されたので少しずつ前へ進んでほしいです。

公女殿下の家庭教師 謙虚チートな魔法授業をはじめます(★★★★☆)

「浮遊魔法をあんな簡単に使う人を初めて見ました」「簡単ですから。みんなやろうとしないだけです」社会の基準では測れない規格外の魔法技術を持ちながらも謙虚に生きる青年アレンが、恩師の頼みで家庭教師として指導することになったのは『魔法が使えない』公女殿下ティナ。誰もが諦めた少女の可能性を見捨てないアレンが教えるのは―「僕はこう考えます。魔法は人が魔力を操っているのではなく、精霊が力を貸してくれているだけのものだと」常識を破壊する魔法授業。導きの果て、ティナに封じられた謎をアレンが解き明かすとき、世界を革命し得る教師と生徒の伝説が始まる!第3回カクヨムWeb小説コンテスト異世界ファンタジー部門大賞受賞。

魔法が使えない公女殿下の家庭教師をすることになった青年の話。文章が読みづらい部分もありましたが、ストーリー自体は好みでした。アレンをめぐって対抗し合うティナとエリーが可愛い。アレンのキャラならすんなりモテても納得できるかな。頭撫でてアピールが多い…。唯我独尊な幼馴染は次回から本格的に登場のようで楽しみです。
アレンの「他人と自分の魔力を繋ぐことができる」は汎用性が高そうな能力。故にアレンが野心家だったら今頃出世コースだったろうに。ティナもエリーも優秀なようなので学園生活では無双するのかしら。来月に早くも続きが発売するようなので買ってみたいと思います。

新米ベルガールの事件録 チェックインは謎のにおい(★★☆☆☆)

「あのトイレ、呪われてます!」。経営難で廃業の噂が絶えない崖っぷちホテルで、次々に起こる不可解な事件。おっちょこちょいの新入社員・落合千代子は、なぜか毎回その渦中に巻き込まれることに。イケメンの教育係・二宮のドSな指導に耐えながらも、千代子が事件の真相に迫るとき、宿泊客たちの切ない事情が明らかになる。本格お仕事ミステリ!

新人ベルガールの千代子が廃業寸前の崖っぷちホテルで起こるトラブルに巻きこまれたり、巻きこんだりするお話。あかん、苦手なタイプの主人公だった…。おっちょこちょいなのは別として、自分の落し物を探すために勝手に使用中の客室に入って客の荷物をあさったり、ホテルで起きた事件の真相を記者に話したりなど社会人として完全にアウト。イラッとしてしまった。
主人公のキャラさえ許容できればライトミステリとしては面白かったです。「家族未満旅行」は切ない余韻でした、いっそのこと大きくなったら二人で暮らすのもアリかと。「シルバークリスマス」はお孫さんがお祖父ちゃん思いでうるっときた。客の落し物を自分の物にしようとする非常識な点からして道化とか無理でしょ、大原さん。

好きラノ2018年下期

毎回開催していただいてありがとうございます。
締切が今日ということで慌てて投稿しました。時間がないのでタイトルだけさらっとご紹介。
ロクでなしの相棒同士の熱いバトルが心に残りました。

ロクでなし魔術講師と禁忌教典(13) 羊太郎 【18下期ラノベ投票/9784040727233】

◼お前ら、おひとり様の俺のこと好きすぎだろ。 凪木エコ 【18下期ラノベ投票/9784040728186】

◼美少女作家と目指すミリオンセラアアアアアアアアッ!!(4) 春日部タケル 【18下期ラノベ投票/9784041070833】

ようこそ実力至上主義の教室へ(9) 衣笠彰梧 【18下期ラノベ投票/9784040651576】

◼たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語(5) サトウとシオ 【18下期ラノベ投票/9784797397529】

◼ジャナ研の憂鬱な事件簿(4) 酒井田寛太郎 【18下期ラノベ投票/9784094517484】

◼Infinite Dendrogram(8) 海道左近 【18下期ラノベ投票/9784798617886】

後宮の烏(2) 白川紺子 【18下期ラノベ投票/9784086802253】

◼宝石商リチャード氏の謎鑑定 夏の庭と黄金の愛 辻村七子 【18下期ラノベ投票/9784086802260】

◼閻魔堂沙羅の推理奇譚 業火のワイダニット 木元哉多 【18下期ラノベ投票/9784065126493】

たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語6 (★★★★☆)

流行りの「映画」の話題で盛り上がるロイドたちに出演者募集の話が舞い込んだ。士官候補生から活きのいいスタントマンが必要らしく――「それならいい方法があるんじゃ! 」アルカ秘伝の『大人になる魔法』でハンサムな好青年に変身させられたロイド。映画界に突如として現れた驚異の新人アクション俳優ロイ=アキヅキとして主役以上の活躍を連発! 謎の美人女優、国王の密命、裏社会の悪党たち。全てを巻き込んだ本気と演技が入り交じり、台本には無い筋書きからもう戻れない――!?勇気と出会いと即興芝居で大旋風を呼ぶ勘違い無双ファンタジー、第6弾!!

シリーズ6冊目。今回は密かに救援を求めてきたロクジョウ王国をジオウの魔の手から守るため表向きは映画のエキストラとして派遣されたロイドたち。相変わらずロイドは勘違いで暴走したままだし、お馴染みのキャラ達はロイド大好きだしで平常運行。最初の会議に登場したイヴの年齢が気になる…。成長したロイドがイケメンで将来有望過ぎる。
キロン姉妹はまさかの…って感じでした。ハッピーエンドで良かったです。メナと数年後のロイドの組み合わせもいいと思うけどね。次回も楽しみです。

神域のカンピオーネス 4: 英雄界ヒューペルボレア (★★★★☆)

女神イザナミの日本侵攻と黄泉醜女と呼ばれる凶悪ゾンビによる未曽有の危機を救った六波羅蓮たち。しかし太陽神アポロンに王女カサンドラを奪われてしまう。神々の遠い故郷ヒューペルボレアに向かったという情報をもとにふたりを追って、六波羅蓮と鳥羽梨於奈は未知なる神域の門を探す。鳥羽茉実花、聖徳太子、そして『謎の貴婦人』に助けられ、ついにやってきた世界。そこはほとんどの陸地が水没した“滅びたあとの世界”であった…!果てなき海を渡り、島から島へと巡る蓮。恐るべき障碍を乗り越えアポロンカサンドラを探し出すことはできるのか―。新たなる「神殺し」との出会いが神域でのバトルを過熱させる!!

シリーズ4冊目。アポロンにさらわれたカサンドラを救うために蓮たちは新たな神域の門を探しに行くことに。白蓮王が最強過ぎる、芙実花が最後に犠牲になっていて気の毒。せっかくの妹キャラなので強くなって蓮のハーレム要員に混ざってほしい。
カサンドラは健気だな〜。蓮の「こういう気持ちに順番を付けるの、僕はいやだな」という言葉に生きる世界が違うなと思った(笑)なんだこいつ!アポロンは退却しましたが、アテナの宣戦布告があるのでここからが本番の様子。あとがきで「次回はいよいよ佳境」とあったので思ったよりも短いのかな、だとしたら残念。

後宮の烏 2(★★★★★)

後宮の烏 2 (集英社オレンジ文庫)

後宮の烏 2 (集英社オレンジ文庫)

後宮で生きながら帝のお渡りがなく、また、けして帝にひざまずくことのない特別な妃・烏妃。当代の烏妃として生きる寿雪は、先代の言いつけに背き、侍女を傍に置いたことに深く戸惑っていた。ある夜、後宮で起きた凄惨な事件は、寿雪が知る由もなかった驚愕の真実をもたらす、が―。烏妃をしばる烏漣娘娘とは何か?烏漣娘娘がおそれる「梟」とは一体誰なのか?

シリーズ2冊目。烏妃である以上は孤独であるべきだと自分に戒めをかける寿雪、しかし寿雪の周囲には少しずつ人が増えていく。高峻との触れ合いも微笑ましい、最後の寿雪の優しさにより涙を流すシーンが印象的でした。高峻だけではなく温螢や衣欺哈も同じで、それによって衛青の不安が的中しないことを祈ります。
ラストは急展開で宵月が今後ラスボス的な立ち位置になっていくのでしょうか。あの人の最期はただただ物悲しかった、大切な人が大事に思っていた人を殺そうとした事実を高峻から突きつけられた時どんな思いだったのだろうか。寿雪と高峻には幸せになってほしい気持ちでいっぱいです。