ホラー女優が天才子役に転生しました: ~今度こそハリウッドを目指します!~(★★★★★)

■あらすじ
貧乏育ちの苦労人ホラー女優の鶇(30歳。努力の甲斐あって演技力はピカイチ)が、自動車事故で即死。20年後に転生した先は銀髪ハーフの超美少女つぐみ(5歳)で、ドのつくお金持ち令嬢だった!つぐみの両親はつぐみに「注入された」演技の才能をすぐさま見抜き、テレビドラマの子役オーディションへ飛び入り参加させる。天使そのもののつぐみの身体を得た実力派ホラー女優鶇は、その奇跡に感謝し、そして誓った。「今度こそハリウッドを目指します!」世界がひれ伏す大天才女優(5歳)がここに誕生!!

■感想
ホラー女優として活躍していた鶫が事故死、しかし何故か目覚めると銀髪美少女のお嬢様になっていた…というお話。すごく面白くて一気読みでした。鶫の仕事に対する情熱が素晴らしい、そんな彼女に感化されて影響を受けた人物がつぐみに何かを感じるという展開も良かった。鶫が生きていたら柿沼さんとのラブもあったのかな(ボソッ)
3人娘では凛が一番好き、マイペースなところが可愛い。兄の虹も生意気で可愛いですな。凛パパを誘惑している場面はさすがにアウトのような…(笑) これからつぐみがどんな風にスターの階段を登っていくのか楽しみです。

目を見て話せない(★★★★☆)

目を見て話せない

目を見て話せない

  • 作者:似鳥 鶏
  • 発売日: 2019/10/31
  • メディア: 単行本
■あらすじ
千葉の房総大学の新入生・藤村京は入学早々、友達づくりに乗り遅れ、愕然としていた。自らの“コミュ障”ぶりを嘆いていると、教室に高級な傘の忘れ物を発見する。他人と会話をするのが苦手な藤村は、推理だけで傘の持ち主を特定しようとするが!?セレクトショップの試着室から消える女子大生の謎、カラオケルームで起きた泥酔事件の真実…大学内外で起きる事件をひとつずつ解決していくにつれ、藤村の周りは少しずつ賑やかになっていって―。

■感想
コミュ障だけど推理が得意な大学生・藤村京が日常の謎を解いていく短編集。同じコミュ障として頷ける部分も多くて面白かった。なぜ藤村がコミュ障になったかは終盤で語られていて、最終的に殻を破って堂々と推理する姿に藤村の成長を感じました。「どうでもいい相手に陰で笑われたとして一体何が困るだろうか」という言葉には自分も勇気を貰った気がします。
一番印象に残ったのは最終話、容疑者サイドがクズ過ぎて皆木さんがキレるのも分かる。ただの窃盗がここまで話が大きくなるとは…。正義感の強い加越さん、社交的な里中、クールだけど腕っ節が強い皆木さん、藤村を支える仲間も魅力的でした。ぜひ続きをやってほしい。

スパイ教室03 《忘我》のアネット(★★★★☆)

■あらすじ
失踪した4人の少女。最悪の結末は――。
暗殺者《屍》の任務後、選抜組の少女たちが出会ったのは、記憶喪失で出自不明の少女――アネットの母。感動の再会に盛り上がる一同だが、それはチームを分断する残酷な運命のはじまりだった。

■感想
シリーズ3冊目。今回は忘我のアネットがメイン。屍の任務後に選抜組が出会ったのは記憶喪失で出自不明のアネットの母を名乗る女性。感動の再会の裏では相変わらず様々な策略が飛び交っていて選抜組を困惑させる。リーダーとしてチームをまとめようと必死になるティア、彼女の決して残酷になりきれないところは容姿と同じく美しい。優秀だけど皆とは馴れ合おうとはしないモニカの隠された恋心も良かった。
チームのメンバーに欠けているのは非情になりきれない残酷さ、アネットの「忘我」の意味がそういうものだとは気づかなかった。某キャラは清々しいまでにアネットに復讐されていたので良しとします。次回で第一部完結とのこと、楽しみです。

豚のレバーは加熱しろ(2回目)(★★★★☆)

■あらすじ
剣と魔法の国に再び豚として参上!しかし肝心のジェスがいない。なぜだ!ジェスたそをブヒブヒ舐め回したい一心でやってきたというのに…!…失礼、違うんだ。俺が少し離れている間に、闇社会の連中が王朝に反旗を翻して、この国は今大変なことになっているらしい。俺がここに再臨したのは、そんななかイェスマ解放を目指し戦うイケメン狩人ノットに協力し、残酷な運命を課されたイェスマたちを救うため。べ、別に、ジェスへのガチ恋が溢れて会いたくて会いたくて仕方がないだなんて、これっぽっちも思ってないからな!「くそどーてーさんも、私と同じなんですね。いつか私もノットさんに…」こらセレス、地の文を読むんじゃない。あとその呼び方、どうにかならないか?

■感想
シリーズ2冊目。再び異世界に向かった主人公、しかし異世界は以前よりも混迷していた。仲間の黒豚がロリコンなせいか変態度が上がってる(笑)記憶を封じられたジェスが必死に思い出そうとしているのがもどかしかった、無事に思い出してからの再会にジーンときた。「もうどこへも行かないでください」というジェスの言葉に豚さんはどう答えるのだろうか。
そして同盟を結んだ王朝側と解放軍、お互い信用はしてないと思うので前途多難かと思いきや最後の展開で一筋の光が見えてきた。健気なセレスも少しは報われてほしいです。次回も楽しみ。

平安・陰陽うた恋ひ小町 言霊の陰陽師(★★★★☆)

■あらすじ
平安の世。今上帝の女御の歌会でひときわ称賛を集める女房がいた。彼女は、袖にした貴族の悪夢、恋煩いの相手探しなど、後宮の女たちの相談役であり、恋歌の名手・小野小町。しかし、ひと筋縄ではいかない恋物語の裏には、あやかしどもが巣喰っていて―。承和の変の謀反から二年。いまだ権力争いの残り火に翻弄される後宮で、言霊をあやつる異才の陰陽師が、難事も怪異も解き明かす。

■感想
謎多き美女・小野小町。しかしその実体は言霊をあやつり、後宮を守る陰陽師だった。設定が斬新で一気読み。恋歌の名手といわれているが小町自身は自分に与えられた使命に忠実で昔の恋を引きずっている。在原業平との掛け合いが面白かったので業平の努力が報われるといいな。
特に終盤の鬼に対して小町の言葉は胸に染み込んできて、一つ一つの言葉を大切にしている彼女だからこそいえたんだろうなと。小町が背負っているものが大きすぎるので彼女の使命を知った業平にはこれからも小町を支えてほしい。

咎人の刻印 ジャック・ザ・リッパー・ファントム(★★★★☆)

■あらすじ
「令和の切り裂きジャック」と畏れられる殺人鬼・神無と、人の生き血を欲する吸血鬼の御影。彼ら「咎人」は、犯した罪の証のごとき「聖痕」をその身に刻んだ異能者だ。愛とは何かを知りたがる神無は、愛を教えるという御影と共に、都心の古びた洋館で暮らすようになっていた。同じ頃、警視庁内に密かに存在する「異能課」では、咎人狩りの使命を帯びた男が、頻発する「切り裂きジャック事件」の犯人として、神無を追い詰めようと動き始め…?闇に生きる咎人たちの血塗られた戦いは、どこへ向かおうとしているのか。究極のダークファンタジー、第2弾!

■感想
シリーズ2冊目。警視庁内に存在する異能課では切り裂きジャックを捕らえようと神無を追い詰めていく。新キャラ・高峰は神無と敵対する刑事でありながら同じ咎人でもある。敵対関係から一時的にでも協力関係になる展開が好き。高峰が咎人になった理由は予想通り凄惨だけど神無達よりはまだ分かる気がする。本来の顔の方が似合ってますね(笑)
御影の神無への思いが段々と深くなっていくのが伝わります。纏の境遇が辛い。ただ誰かに受け入れて欲しかったんだよね、それが爆発してしまって悲劇を生んでしまったのは悲しいですが神無の頑張りでなんとかなって良かった。

とってもカワイイ私と付き合ってよ! (★★★★☆)

■あらすじ
一人気ままな生活を謳歌する俺が、クラスいちの人気者七峰結朱から受けた突然の告白。それはリア充グループの三角関係解決のため恋人のふりをして欲しいというものだった!報酬のプレミア付きゲームにつられ、俺はしぶしぶ了承したのだが…。「ほらほら、可愛い彼女の元気な笑顔が見られて嬉しい?」教室では猫を被る結朱が俺の前だけで見せる、ナルシスト全開の言動はウザい。…はずなのにどこか心地よく、二人っきりで過ごす時間は日常を彩り、生活の一部に溶け込んでいき―。陰キャオタクとリア充ナルシスト。趣味も性格もまるで違う二人の“偽物カップル”から始まる、ナルかわ青春ラブコメ!第25回スニーカー大賞特別賞受賞作品。

■感想
陰キャオタクとリア充女子の偽物カップルから始まるラブコメ。王道だけど安定感のある良いラブコメでした。主人公・大和はぼっちだけどそれは自分で選択したことで決してコミ障なわけではない。リア充である結朱にも言いたいことは遠慮なく言う。そういう意味ではテンポよくストーリーが進んで読みやすかったし、結朱のツッコミ役としても優秀。おまけに中学時代はバスケ部部長とかスペック高いじゃん…。
リア充グループらしく恋模様が混線してましたが綺麗にまとまって良かったね。最後の告白はすごく結朱らしくて可愛かったです、付き合ってからもあんな風なんだろうな(笑)恋人編とかも気になる…。