- 作者: 中村ふみ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2018/06/06
- メディア: 文庫
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ホラー要素もありつつ、どこか救いのある温かい終わり方でした。命だけではなく思い出さえも奪われたら利市が怒るのは当たり前のことで、それをずっと一人で抱え込みながら人形師として生きてきた利市は強いなと。利市を支える愚浄の存在も大きかったのかな、「拙僧は、利市の月になりたいんだ」という台詞が印象的。よっちゃんが犠牲になってしまったのが悔やまれる…。
結局のところこんな殺人鬼でも嘉助という存在がずっと傍にいてくれたら変われたのだろうか。ぬいの立場も辛いけど利市の弟やユンのことを考えるとあまり同情はしたくないな…、ぬいを助けることを選択した利市は器が大きい。これからは皆平穏に生きてほしいです。