月世界紳士録(★★★★☆)

月世界紳士録 (集英社オレンジ文庫)

月世界紳士録 (集英社オレンジ文庫)

宇宙技術振興推進株式会社――通称STeP。 待宵澄雄の異動先は「竹取班」と呼ばれ、月にまつわる民話や伝承などを扱う部署だ。同僚は桂靖久という青年ひとり。 その日、竹取班を訪れた宗像という男は、ある蒐集家から預かり保管中の古いランプ『朧月夜』を譲ってくれと言った。『朧月夜』には、嘘をつくと火が消える、という謂われがあり? 月に憑かれた者たちの幻想譚。
月にまつわる民話や伝承などを扱う部署に異動させられ、月についての揉め事まで処理することに。設定は現代なのにどこかレトロな雰囲気が漂う作品でした。やっぱりこの作者さんとの相性いいな。真面目な澄雄と月に魅せられたお調子者の靖久のコンビは王道ながらもいい味出してました。いつか藤岡さんと三田村さんのような唯一無二といえるような友情関係になってほしいものです。
宗像はぶん殴りたいですね、靖久が嫌うのも分かる。羽衣の話は個人的に意外な結末でした。志信はそっちを取るのか…、かぐや姫の心境の変化についての解釈が面白かったです。澄雄が靖久に仕返ししているところを読みたいので続きがでないかなと期待することにします。