利き蜜師物語 銀蜂の目覚め(★★★☆☆)

利き蜜師物語 銀蜂の目覚め

利き蜜師物語 銀蜂の目覚め

豊かな花場を持つ村・カガミノ。蜂蜜の専門家であり術師である利き蜜師・仙道の平穏な日々は、村に迷い込んだ一匹の銀蜂に気づいたことで一変する。東の地で悪しき風が吹き始めている…。仙道は幼い弟子・まゆを連れてカガミノを出るが…。迫力のスケールで描かれる、利き蜜師の物語。第三回「暮らしの小説大賞」出版社特別賞受賞作。
色鮮やかな表紙が美しい。読んでると蜂蜜を舐めたくなります。個人的に蜂=怖い、という印象なので蜂と多くの人間が共存しているという設定は新鮮でした。しかし思った以上に銀黒王の味方になってしまった蜂が多くて、続きがありそうな終わり方だったので仙道たちの今後の課題の一つですね。その原因が人間側にあるので自業自得の部分もあるけど…、月花が怒るの仕方ない。仙道と月花の言葉にしなくても分かり合っている関係が素敵だなと。
まゆは最初どうなることかと思いましたが、利き蜜師としての才能を開花させて見事にカスミを助けだせたのでひと安心。自分の命を懸けてまでカスミを助けたアリシアの気持ちがきちんとカスミに伝わって良かった。