時をかける眼鏡 魔術師の金言と眼鏡の決意 (★★★★☆)

◼あらすじ
嵐の直撃を受けたマーキス島には農作物や建物、人的な被害の爪痕が深く残った。その災害復興に必要な労働力確保のため、ロデリック王は遊馬の進言を受け入れ、囚人たちの更正に取り組むよう宰相のフランシスに指示する。国を復興させるために学び、働き、良き心を一欠片でも持っていることを示した者は、たとえ罪人であっても再び国民のひとりとみなそうとロデリック王。さらに遊馬は、災害復興にかかる資金を集めるため、マーキス島の「観光資源」を発掘し有効に使うべきと進言し、例えば伝説の王子が閉じ込められていた地下牢も、異国から見物客が集まる良い「観光スポット」になると提案したところ、ロデリック王もフランシスもそれを妙案だと受け入れ、「観光地図」の作成をクリストファーと遊馬に命じる。マーキス島に来て初めての休日をもらった遊馬は、魔術師ジャヴィードに会いに行くのだが、そこで「南からの風の備えよ」とロデリック王に伝えるよう言われて・・・!? 大人気!法医学者が描くタイムスリップ法医学ミステリー第8弾!

◼感想
シリーズ8冊目。前回の嵐による被害が未だに残るマーキス、少しでも国を早く復興させる為の遊馬の案が面白い。地下牢の囚人ツアーか…。自分が自由に行動することによってマーキスの未来を変えてしまうのではないか、と不安になる遊馬。ジャヴィードのアドバイスで立ち直ってくれてひと安心、個人的には遊馬とクリスの師弟コンビが好きなのでまだ続いてほしいです。
フランシスは良い意味で変わりましたね~、確かにツンデレ(笑)後半はとある病原菌によりシリアスになりましたが無事で良かった!遊馬はよく頑張りました。次回も楽しみです。

友人キャラは大変ですか? (7)(★★★★☆)

 

友人キャラは大変ですか?7 (ガガガ文庫)

友人キャラは大変ですか?7 (ガガガ文庫)

 

 ◼あらすじ

連絡の途絶えたシズマを追って、異界に突入する火乃森龍牙と仲間たち。もちろん友人キャラの俺、小林一郎も一緒だ。なんてったって、シズマは俺の息子(育ての意味での)。普通に心配なのだ。異界の意外な姿に驚いたのも束の間、俺たちはキュウキ陣営の襲撃を受ける。ええい、ここが正念場だ!第三部以降ややこしくなっちまったが、元凶のキュウキをぶっとばせば龍牙の異能バトルストーリーはめでたく完結、俺の本来の居場所(日常パート)も取り戻せるって寸法よ!―大人気名助演ラブコメ、佳境を迎える第7弾!

◼感想
シリーズ7冊目、キュウキ編完結。ピンチだったシズマですが満身創痍ながらも生きていてひと安心、真面目で優秀な子で皆から愛されるのも分かる。今回は正に総力戦で龍牙達側や三姫側達も一丸となってキュウキを倒す熱い展開でした。皆急速に仲良くなっとる。屡贄も無事で雪宮良かったね!ていうかまともな将軍屡贄しかいないね!
そして大きな爆弾を最後に落として終了。まだ続くのは嬉しいけど今まで活躍の場がなかったあの子があんな立ち位置だったとは…。小林の意志とは裏腹に完全に主人公ポジションになってるけど次回からどんな風に立ち回っていくのか楽しみです。

<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 10.嵐の後、嵐の前(★★★★☆)

◼あらすじ
カルチェラタンでの騒動もひと段落し、王国とマスターの関係は改善の方向へと進んでいた。そして大学生活へと戻った玲二は、日々の勉学に励みつつ、デンドロをやっている友人や、サークルの月夜や梢と交流を深めていく。一方、カルディナでは新たに超級を師に迎え、レベルアップを図るユーゴーが、マフィアの絡んだ大きな抗争に巻き込まれていて―。さらに勢いを増す激熱VRMMOファンタジー。穏やかな日常回なんてなかった第10巻!

◼感想
シリーズ10冊目。カルチェラタンでの騒動が一段落し、レイに束の間の休息が訪れる。ゲームもいいけど大学生活も大事だよね。魔将軍に接触した謎の組織が気になる。そして久しぶりにユーゴーとキューコが登場、自由なアリカに振り回されつつも新たな師を得たことで更に強くなったユーゴーたち。レイと早く再会してほしいな。
監獄では犯罪王とガーベラが中心、犯罪王の能力が明かされましたが益々彼の得体のしれない人間性が際立つ結果に。ガーベラは着々と強くなってますね。リアルでは優等生なのにゲームではお騒がせキャラになってしまったビースリーが可愛い、レイは確かにみたらし罪…。

地獄くらやみ花もなき 参 蛇喰らう宿(★★★★☆)

地獄くらやみ花もなき 参 蛇喰らう宿 (角川文庫)

地獄くらやみ花もなき 参 蛇喰らう宿 (角川文庫)

◼あらすじ
“地獄代行業”の皓と助手・青児は、不可解な過去の通り魔殺人を調べるため奥飛騨の旅館へ向かう。紅葉燃ゆる山宿で2人を迎えたのは、闇に蠢く蛇と、前夜に急死した女将の亡骸だった。時を経て再び起こった不審な死。“蛇の祟り”が仄めかされるが、皓が見抜く本当の罪人と、悲しき動機とは…。そして事件の終わりと共に、皓と青児を引き裂く新たな地獄が幕を開ける!美しき少年探偵とペット扱い助手の事件簿、第3弾。

◼感想
シリーズ3冊目。棘の双子の兄・荊の登場により益々過酷な状況になっていく。第一怪の牛鬼と濡れ女のお話は誰一人として救われないまま終わってしまったのが悲しかった。青児が少しでも皓の役に立とうと本で勉強してるのが微笑ましい。皓が途中退場しても棘のそばで手伝いをしたりなど今回の青児は頑張っていて、主従関係も段々としっかりとしたものになってきたなと。
新キャラの荊をみているとあの棘でさえ優しく思えてくる…。最後はまさかの急展開で気になるところで終了、荊の目的とは何なのか。次回が待ち遠しいです。

ディスキャラ メグルくん オタクがラップでギャルとバトったら、青春ラブコメ始まった!?(★★★★☆)

◼あらすじ
弱気でオタク。周囲の目を気にする一方でリア充を呪い、不満を「ディスノート」に書き込んで、こっそり発散。そんな陰キャ極まる俺、廻裏メグルに美少女・燦心からまさかの告白。「君に私を…ディスってほしいの!踏んでみて!(韻を)」変態な彼女の秘密を知って、「ラップ」を始めることに!なにそれ、Yoでチェケラってやつ?だけど、燦心といつも一緒に過ごすようになったおかげで学園生活に変化が起きた。オタク由来の語彙力、溜め込んだディス。意外に秘めた才能でBボーイをバトルで倒し、周りから一目置かれて、ラブコメ到来!?ラップって、もしかして学園生活最強の攻略スキル!?

◼感想
卑屈なオタクとリア充組の少女がラップを通して心を通わせていく青春ラブコメ。ラップに関しては素人なので二人の会話のリズム感が分からなかったのは残念でしたが、それでも十分面白かったです。何よりラップ大好き!な燦心が素直で優しい子、榁姫との確執も燦心的には悪気はなかったしね。最後の告白を鈍感スキルで思いっきり勘違いするメグルが憐れ。
燦心と喧嘩中の榁姫も素直になれないだけでラップ対決で本音でぶつかりあう二人は正に親友でした。事の始まりの原因であるディスノートに関しても正直に打ち明けられてひと安心、さらっと許しちゃう燦心は心が広い。綺麗にまとまってますがメグルたちのその後も読んでみたいです。

幼なじみが絶対に負けないラブコメ(★★★★★)

幼なじみが絶対に負けないラブコメ (電撃文庫)

幼なじみが絶対に負けないラブコメ (電撃文庫)

◼あらすじ
幼なじみの志田黒羽は俺のことが好きらしい。家は隣で見た目はロリ可愛。陽キャでクラスの人気者、かつ中身は世話焼きお姉系と文句なしの最強である。…でも俺には、初恋の美少女で学園のアイドル、芥見賞受賞の現役女子高生作家、可知白草がいる!普通に考えたら俺には無理めな白草だけど、下校途中、俺だけに笑顔で会話してくれるんだぜ!これもう完全に脈アリでしょ!ところが白草に彼氏ができたと聞き、俺の人生は急転直下。死にたい。というかなんで俺じゃないんだ!?俺の初恋だったのに…。失意に沈む俺に黒羽が囁く―そんなに辛いなら、復讐しよう?最高の復讐をしてあげようよ―と。

◼感想
幼馴染好きとして買わねばと思った1冊。凄く面白かった、幼馴染の大勝利!というわけではないけど末晴に対して一途な黒羽が可愛かった。末晴の想い人である白草もクールなようでいて、デレた時の可愛さが凄まじい。全ては末晴の過去に繋がっていて、白草との幼い頃の思い出も、乗り越えるべき母親との辛い別れもきちんと受け止めて前へ進む末晴は成長しているなと。
復讐はきっちり完了したものの3人ともダメージ受けているのが笑える。ある意味阿部先輩が一番イケメンだったような…。最後にまた新たなヒロインが登場、ぜひ続きをだしてほしいです。

今昔百鬼拾遺 河童(★★★★☆)

◼あらすじ
昭和29年、夏。複雑に蛇行する夷隅川水系に、次々と奇妙な水死体が浮かんだ。3体目発見の報せを受けた科学雑誌「稀譚月報」の記者・中禅寺敦子は、薔薇十字探偵社の益田が調査中の模造宝石事件との関連を探るべく現地に向かった。第一発見者の女学生・呉美由紀、妖怪研究家・多々良勝五郎らと共に怪事件の謎に迫るが―。山奥を流れる、美しく澄んだ川で巻き起こった惨劇と悲劇の真相とは。百鬼夜行シリーズ待望の長編!

◼感想
前回の「鬼」よりも妖怪要素が多めで嬉しかった。最初のお嬢様たちの河童談義が面白い、「尻」というワードに過剰反応してるとかピュアだな…。多々良さんの手綱を管理できる敦子がすごい。不穏な模造宝石事件から始まり、遺体となって発見されていく事件の関係者たち。
欲にかられたのかもしれないし、自らの行いを反省したのかもしれない。美由紀の「どんな顔してたって心の中までは判らない」という言葉が的を射ている。でも某キャラの立場を考えれば金の為と考えるのも仕方ない、父親が最後に選択した大切なものが彼にとって唯一の救いだと思う。今回も美由紀の言葉が心に突き刺さりました、「天狗」も楽しみ。