緋紗子さんには、9つの秘密がある(★★★★☆)

学級委員長を押し付けられ、家では両親が離婚の危機。さらには幼なじみへの恋心も封印。自分を出せない性格に悩みが募る高校2年生・由宇にとって「私と誰も仲良くしないでください」とクラスを凍りつかせた転校生・緋紗子さんとの出会いは衝撃だった。物怖じせず凛とした彼女に憧れを抱く由宇。だが偶然、緋紗子さんの体の重大な秘密を知ってしまい、ふたりの関係は思わぬ方向へ―。
他人から頼み事をされるとNOと言えない由宇、毅然とした態度を貫く眉目秀麗の緋紗子に由宇は憧れを抱くようになる。読みやすく、そしてとても素敵な友情ストーリーでした。緋紗子の嬉しいことがあると起こるあの現象は精神的なことが原因なのかな?由宇と一緒にいることが楽しいからこそ距離を置こうと考える緋紗子の行動が切ない。由宇も普段は大人しいのに緋紗子のことになると積極的になるのが微笑ましかったです。
由宇がやっと両親や薫にガツンと言ってやった時はスカッとしました、よくいった!最後の緋紗子視点のエピソードが素敵、由宇だけではなく緋紗子も由宇に憧れていたんですね。幼馴染みの修一との恋の行方も気になるけど、たまにはこういう女の子同士の友情を主軸にした小説も面白い。読んで良かったです。