俗・偽恋愛小説家(★★★☆☆)

俗・偽恋愛小説家

俗・偽恋愛小説家

「白雪姫」「ラプンツェル」「かえるの王さま」「くるみ割り人形」――誰もが知っている、おとぎ話に隠された、 恋物語と事件の≪真相≫を“偽"恋愛小説家&駆け出し編集者コンビが読み解く連作恋愛ミステリ第2弾。 恋愛小説家・夢宮宇多は、デビュー作『彼女』が話題となり次回作が待ち望まれていた。ところが、担当編集者の月子が催促をするものの、夢宮は次回作の『月と涙』の原稿の続きを、書いてくる気配がない。そのうえ、「夢宮が女性と仲良く歩いていた」という話を、月子は同僚から聞いてしまう。 現実とリンクする夢宮の次回作のラストで、主人公の青年は「月」と「涙」どちらを恋の相手に選ぶのか……?
事件をグリム童話になぞらえて推理するライトミステリ、第2弾。担当作家の夢宮を想いながらも幼馴染みとお見合いをしてプロポーズされてしまう月子。それだけではなくプロポーズを承諾してしまうなんて…、じれったい恋模様は好きだけどこれはダメだわ。月子のはっきりしない態度にイラっとしてしまいました。振り回された幼馴染みが可哀想。結果的にハッピーエンドだったのには一安心、夢宮は月子のどこに惹かれたんでしょうか。一生懸命なところ?そこら辺もはっきりしてほしかったな。
白雪姫に対しての小人の欲望、ラプンツェルにおける魔女の苦悩、カエルになった王子のまさかの性癖、作者が亡くなった娘への思いを文章に込めたくるみ割り人形、それぞれの童話の解釈は前回と同じく面白かったです。涙子さんにも幸せになってほしいです。