―異能―(★★★☆☆)

―異能― (MF文庫J)
■あらすじ
自分の凡庸さを自覚している大迫祐樹には成績優秀で野球部エースの赤根凛空と学校一可愛い月摘知海という友人がいる。―自分は二人の間を取り持つモブキャラなのだ。しかしある日大迫は知海と二人で映画に行くことになってしまう。「デートだね」とはにかむ彼女に戸惑いながら帰宅した大迫の前に、見知らぬ少年が現れて問う。「君の願いは、なにかな?」それは異能を秘めたモノたちへのバトルロワイヤルへの招待だった。「僕…の中にも異能があるのか?」だがそれすらも完全な思い違いだったのかもしれない―!!予想を覆す怒涛の展開。審査員評が完全に割れた事件的怪作、刊行。

■感想
シンプルなタイトルが気になって購入。端的に言ってしまえば異能力者同士のバトルロワイヤル。無理矢理ゲームに引きずり込まれた主人公・祐樹から視点がはじまり、次々と容赦なく登場人物逹が死んでいく。特に奏の淡い恋心が成就しなかったのが残念。あっさりと親友を殺しやがった某キャラは好きになれないけど。
なんとなく予想はできていたけどやっぱりダークホースはあのキャラなんだね…。和抄造の目的があまりにも自己中過ぎたので最後の展開にはスカッとした。自分をずっとモブキャラと称していた祐樹がやっと主人公になれて良かった。これはある意味続きがない方がいいパターン、お幸せに。