その可能性はすでに考えた(★★★★☆)

その可能性はすでに考えた (講談社ノベルス)

その可能性はすでに考えた (講談社ノベルス)

前作の「恋と禁忌の述語論理」がほとんど理解出来なかったのに対して今回は前回に比べるといくらか理解出来たので丞と刺客との推理対決は楽しめながら読めました。丞は前作でも出てきてますね、事務員がいないので時間軸的には前作より少し前の出来事のようです。
フーリンはどう考えても真っ黒な人間ですが丞と一緒にいる時のフーリンは手のかかる弟を叱咤する姉のようで普通の女性に見えます。真相に関してはドウニが本当に良い子なだけに悲しかった、母親の勝手な行動に巻き込まれたせいで…。そして頑なに丞が奇跡を肯定しようとする理由がいじらしい、枢機卿との確執が根深いだけに丞が母親の無念から解放される日は遠そうです。