蒼海館の殺人(★★★★☆)

蒼海館の殺人 (講談社タイガ)

蒼海館の殺人 (講談社タイガ)

■あらすじ
学校に来なくなった「名探偵」の葛城に会うため、僕はY村の青海館を訪れた。 政治家の父と学者の母、弁護士にモデル。名士ばかりの葛城の家族に明るく歓待され夜を迎えるが、激しい雨が降り続くなか、連続殺人の幕が上がる。刻々とせまる洪水、増える死体、過去に囚われたままの名探偵、それでも――夜は明ける。新鋭の最高到達地点はここに、精美にして極上の本格ミステリ

■感想
青海館で起こる殺人事件と洪水による災害に巻き込まれた田所。落日館での事件をきっかけに探偵であることをやめてしまった葛城を説得するが拒絶されてしまう。ボリューミーなだけあって読みごたえも抜群。首のない死体が出た時点で色々と疑わしい点が出てきましたが、犯人の巧妙な誘導によって事件が仕組まれていることにゾッとしました。
再起してからの葛城が見違えるようで、結構早くから犯人を確信してたと思うと辛い展開だったなと。ラストの泣いている葛城にそっと寄り添う田所、という二人の関係性が好きです。要所々々で場を和ませる三谷がグッジョブ。また続きが出るなら読みたいです。

1LDK、そして2JK。IV ~3つの結末、それは4人の未来~ (★★★★☆)

■あらすじ
27歳サラリーマンと2JKによるひと夏の物語は、いよいよクライマックスへ。
ひょんなことから身を寄せ合い、共に暮らしてきた3人。それぞれの夢や希望や心残りやほのかな気持ちは、もう1LDKには収まりきらないほど大きくなり、未来へと飛び立つ勇気をもたらした。それぞれの決断は、物語の結末はいかに?読めば納得、きっとお気に入りの結末が見つかるはず。

■感想
シリーズ最終巻。ひょんなことから共同生活を送ることになった3人が絆を深めながらもそれぞれの道へ歩いていく過程が丁寧に描かれていました。奏音は突然家出した母親ときちんと話し合い、ひまりは自分の夢を理解してもらう為に両親と向き合うことに。2人だけではなく和輝自身も好きだった柔道に再チャレンジする、という展開が感慨深かったです。
ラストはあっさりながらもそれぞれのキャラとのエピソードがあって嬉しかった。ひまり推しなので他の二人と同様に両思い後の様子も知りたいなと思ったり。でもデビューできて良かったね!ほのぼのと安心して読めるシリーズでした。

後宮の烏5(★★★★☆)

後宮の烏 5 (集英社オレンジ文庫)

後宮の烏 5 (集英社オレンジ文庫)

■あらすじ
高峻は寿雪を救い出すため、もっとも険しい道を選び、進んでいく。この秋、宮中は慶事に沸いた。同じ頃、先の騒動の影響で夜明宮は、ひっそりと静まり返っていた…。烏妃はひとりで在るもの。先態、烏妃の戒めが、寿雪の胸を刺す。だが寿雪は、抱えたものを守り通すため、突きつけられた烏妃としての切ない運命に対峙することを決めて―。激動の第五弾!

■感想
シリーズ5冊目。寿雪を烏妃としての使命から解放する為に高峻は着々と準備を進めていく。もし寿雪が自由になれたら…、彼女のことを真剣に思うがゆえに別れを決意をしている高峻の胸中はどれだけ辛いことか。それは高峻の考えを知った寿雪も同じこと、寿雪を自分の「半身」だといった高峻の例えが心に響く。
麗娘の愛情の深さにホロリ、寿雪はもちろんのこと寿雪の周囲の人々にも幸せになってほしい。終盤は急展開でそう簡単に結界が破れるはずもなく、烏妃から解放される道程は険しい。それでも高峻の隣で寿雪が笑っている未来を信じたいと思います。

貴サークルは"救世主"に配置されました(★★★★☆)

■あらすじ
「ずっと……ずっと、あなたを探していました、世界を救うために」自分の同人誌によって、魔王の復活が防がれる。突如現れた女子高生ヒメにそう諭された同人作家のナイト。ヒメの甲斐甲斐しい協力のもと、新刊制作に取り組むのだが…「えっ、二年間で六部だけ……?」「どうして『ふゆこみ』に当選した旨を報告していないのですか」?「一日三枚イラストを描いて下さい」「生きた線が引けていません」即売会で百部完売しないと世界が滅ぶっていうけど、この娘厳しくない!?「自信を持って下さい。きっと売れます」同人誌にかける青春ファンタジー、制作開始!

■感想
同人誌で世界を救う、という斬新すぎる設定でストーリーに引き込まれてた。コミケとか即売会とか学生時代にはよく行ったな~と懐かしい気持ちで読むこともできました。マイナーだけど自分の好きなものを真っ直ぐに描こうとするナイトの姿勢好きですよ、わかりみが深い。
とんでも設定だけど最後までスルッと読めたのはヒメの真剣さとナイトの頑張りが伝わってきたから。協力者のデスメイドさんも良い味出してた。次の目標は壁サークルになることみたいだけど続きはあるのだろうか…。

継母の連れ子が元カノだった6 あのとき言えなかった六つのこと(★★★★☆)

■あらすじ
親の再婚できょうだいになった水斗と結女は、元恋人同士。水斗といさなが付き合っているという噂で校内が色めく一方、結女は水斗との距離を縮められないままで……。そんな初秋、きょうだい揃って文化祭の実行委員に選ばれる!衣装選びに放課後の準備作業……長くなる二人きりの時間に、夏祭りのキスの真意を確かめようとする水斗。そして水斗に自分の好意を気付かせたい結女。探り合いながら迎えた、文化祭当日――二人は展示の見回りを任されるが、これってもうデートでは!?「なぁ。『好き』って、なんなんだ?」元カップルが、お互いの気持ちに向き合う文化祭編!

■感想
水斗が自分の気持ちと向き合う文化祭編。ひょんなことから結女と共に文化祭実行委員になってしまった水斗、めんどくさがりながらも有能な水斗は周囲から一目置かれるようになる。ぼっちでも大丈夫な水斗と友達が欲しかった結女の価値観の違いがもどかしい。終盤で水斗の背中を押すいさなが癒しでした。
新キャラの副会長の恋も可愛くて応援したくなった。不器用でも短くても「ありがとう」の言葉一つだけで二人の距離はぐっと近づいていく。「放したくない」という本音と水斗が次回でどう折り合いをつけるのかが楽しみ。

ひきこまり吸血姫の悶々4(★★★★☆)

ひきこまり吸血姫の悶々4 (GA文庫)

ひきこまり吸血姫の悶々4 (GA文庫)

■あらすじ
六国全土を巻き込んだ「六国大戦」も終結し、コマリは平穏な時を取り戻す……ことはなかった!六国大戦で盟友となった
天照楽土のアマツ・カルラに招待されて、外交使節として遙か東方に赴くことに。そこで待ち受けていたのは、予想もしない大事件だった!ひきこまり美少女が遙か遠くの国で大活躍!?ひきこもりたいのに、ひきこもれない。コマリの明日はどっちだ!?

■感想
シリーズ4冊目。今回は前回登場したカルラがメイン。天照楽土で次期大神を決める騒動に巻き込まれたコマリ。コマリと同じく戦闘はからっきしでお菓子作りが好きなカルラ。大神になりたくなくて逃げてばかりだった彼女が、自分の想いと決意を吐露した討論会の場面は胸が熱くなりました。マイペースなズタズタスキーが良い味出してる。
カルラの烈核解放はチートだけど副作用があるなら使いどころが難しそう。カルラには自分の好きなことも、大神としての役目も無理せずにやっていってほしいです。今回も覚醒後のコマリさんカッコいい、覚醒時の自分のことも少し自覚している様子。逆さ月とどう決着をつけるのか、今後の展開に期待。

蟲愛づる姫君の永遠(★★★★☆)

■あらすじ
無自覚に夫を翻弄する蟲大好き姫・玲琳にどこまでも振り回される魁国の王・鍠牙。彼はただひたすら妻を愛しているつもりなのだが、その後宮を構成する数少ない女性陣は、諸事情により全員が全員、キャラと背負ったバックグラウンドが濃すぎて(正妃含む)、鍠牙本人の意志とはまるで関係ないところで日々、大変ややこしく人間関係がこじれていくのだった。そんなある日、飛国の第二王子・榮覇が、花嫁を探しに魁国を訪れる。本来ならば鍠牙の妹姫たちを候補に入れて訪問したはずの榮覇だったが、蠱師である玲琳をひどく気に入り、夫の鍠牙と離婚させてでも自分の国に連れ帰ると言い出す。鍠牙は当然激怒するが、肝心の玲琳が榮覇のことを面白がってしまい、悶々とする夫をしりめに自ら彼に攫われ、飛国へと旅立ってしまった。ところが、鍠牙の差し向けた追っ手をかわしつつ旅をしている途中で、榮覇は突然苦しみ始め、意識を失ってしまう。そして次に目覚めたとき、彼は触れるものをすべてを殺してしまう「毒の塊」に成り果てていた。何者かの蠱毒による攻撃と気づいた玲琳は、榮覇の受けた蠱術を解除しようとするが……? シリーズ第5弾!

■感想
シリーズ5冊目。玲琳も大概だけど鍠牙も十分狂っていると実感した回でした。新キャラの飛国の王子・榮覇もクセ者で、蠱毒を受けた彼を助けるために玲琳は実の祖母と対峙することになる。おしとやかになった玲琳の違和感が半端ない(笑)やっぱり玲琳はいつも通りの方が面白い。
榮覇が命を懸けて守りたいものは予想通り、いっそのこと駆け落ちでもしてしまえばいいと思う。玲琳が次の里長になることで良い方向に変わっていくといいですね。乾坤の葉歌への想いにときめいた、まともなキャラいた…!玲琳と鍠牙の関係も一区切りついて一件落着。