今昔百鬼拾遺 鬼(★★★★☆)

今昔百鬼拾遺 鬼 (講談社タイガ)

今昔百鬼拾遺 鬼 (講談社タイガ)

◼あらすじ
「先祖代代、片倉家の女は殺される定めだとか。しかも、斬り殺されるんだと云う話でした」昭和29年3月、駒澤野球場周辺で発生した連続通り魔・「昭和の辻斬り事件」。七人目の被害者・片倉ハル子は自らの死を予見するような発言をしていた。ハル子の友人・呉美由紀から相談を受けた「稀譚月報」記者・中禅寺敦子は、怪異と見える事件に不審を覚え解明に乗り出す。百鬼夜行シリーズ最新作。

◼感想
京極の妹・敦子は世間を騒がせている辻斬り事件の件で被害者の友人である呉美由紀から相談を受ける。被害者・片倉ハルの自らの死を予見するような不審な発言・片倉家に纏わる因縁などの伏線が登場していき、物語は始終不穏な雰囲気でした。辻斬りの正体は確かに「夢見がち」だったのかもしれない、練習台みたいにされた被害者が無念。
美由紀の最後の演説にはスカッとしました、正に憑き物落としのようでした。敦子の「探偵さんの影響が濃い気がした」発言にはクスリと笑えた。美由紀にはまた登場してほしいです。