後宮に月は満ちる 金椛国春秋(★★★★☆)

後宮に月は満ちる 金椛国春秋 (角川文庫)

後宮に月は満ちる 金椛国春秋 (角川文庫)

大陸の強国、金椛国。一族が殉死となった悲劇の名門・星家の生き残り、遊圭は、女装し後宮で女官として勤めることに。薬膳の知識と教養を認められ、美貌の宦官・玄月に全てを知られながらも、手足として働くことになったのだ。今度の指令は、皇太后の娘・麗華の健康回復。彼女は引きこもりで厭世的な、かなりの難敵。しかしそれは影向きで、本当の任務は、麗華の母・皇太后の陰謀調査で…。中華後宮ファンタジー第2弾!
シリーズ2冊目。皇太后の娘・麗華の健康回復の為に奔走したり、皇太后の調査のために敵地に潜入したりと玄月に振り回されがちな遊圭たち。麗華の我が儘っぷりは彼女が抱える孤独からくるもので、母親に愛されたいと必死に努力する姿がいじらしかった。最後は自分自身で決断して母親と向き合うことにしたみたいなので頑張ってほしいな。皇太后の闇は深い…。
玄月の父親への言葉は本気なんだろうな、皇帝との友情関係には癒されました。最後はまさかの遊圭の出世に笑ってしまった。遊圭の活躍によって早く族滅法がなくなりますように。