ノッキンオン・ロックドドア(★★★★☆)

ノッキンオン・ロックドドア (文芸書)

ノッキンオン・ロックドドア (文芸書)

密室、容疑者全員アリバイ持ち、衆人環視の毒殺など「不可能(HOW)」を推理する御殿場倒理と、理解できないダイイングメッセージ、現場に残された不自然なもの、被害者の服がないなど「不可解(WHY)」を推理する片無氷雨。相棒だけどライバル(!?)な探偵ふたりが、数々の奇妙な事件に挑む!
依頼に対してそれぞれの役割が決まっているというのは新鮮かもしれない。個人的に裏染シリーズよりこちらの方が好み。倒理と氷雨の仲はお互い依存しているわけでも仲が悪いわけでもない。でもふとした瞬間にお互いの存在を考えているところがたまらない。特に氷雨の「だから待ってる。次に僕の出番が回ってくるまで」というセリフにはキュンときた。
そして謎なのが氷雨たちが大学時代に起こったとある事件、詳細は不明。しかしその事件がきっかけで美影は犯罪プランナーになり、氷雨と倒理は探偵になった。倒理が服で首筋を隠しているのはその事件が関係あるのかな。駄菓子大好きな穿地も美影に関しては複雑な心境の様子。平常運転な薬子ちゃんが癒しですね。続刊はすでに決まっているようなのでぜひ四年前の事件の詳細が明かされるといいな。