ヒトの時代は終わったけれど、それでもお腹は減りますか? (★★★★☆)

◼あらすじ
荒廃した24世紀の東京は合成食糧や電子ドラッグが巷に溢れ、荒くれ者たちが鎬を削る…それでも、やっぱりお腹は減るんです。日々の戦いに疲れたら、奇蹟の食堂―“伽藍堂”へ!厨房を受け持つのは「食の博物館」の異名を持ち、天使の微笑みをたたえる少女ウカ。狩人兼給仕を担うのは、無法者に睨みを利かせる、こわもて奔放娘リコ。二人は今日も未知なる食材求めて、てんやわんやの大騒ぎ。「おいしい!」の笑顔のためならば、人を喰らうドラゴンから、食べたら即死の毒キノコ、はたまた棄てられた戦車まで!?なんでもおいしく、そして仲良くいただきます!リコとウカの風味絶佳な日常を皆さんどうぞ召し上がれ。

◼感想
荒廃した24世紀の東京で食堂を営むウカとリコ。「食の博物館」の異名を持つウカと腕っぷしの強いリコのコンビ愛に注目しつつ、食材が限られた世界でゲテモノでも美味しく調理してしまうウカの奇抜な発想も面白い。オイルバーは聞いただけで胃がもたれそう…。
周囲のキャラも個性的で個人的にはルアンがお気にいり、ルアンもそうですがウカもそうだったとは…。さすが未来なだけあって科学が発達しています。なんかもう終盤は二人の世界が出来上がっていて百合好きの人にはたまらないだろうなと。ウナギも美味しそうでした。次は二人の出会いの話とのこと、そちらのエピソードも気になります。

世界で一番かわいそうな私たち 第二幕 (★★★★☆)

◼あらすじ
フリースクール〈静鈴荘〉で教師として働きはじめた佐伯道成は、一人の生徒を追い詰める深刻なトラブル――謂れのない罪の告発と嫌がらせに直面する。大人の悪意から子どもを守ろうと必死に奔走する佐伯だったが、先輩教師の舞原杏が選択した救済のカタチはあまりにも意外なものだった。一方、心を閉ざしていた〈静鈴荘〉の住人・三好詠葉にも変化が訪れ、残酷すぎる恋物語が動き出す!

◼感想
シリーズ2冊目。前回の衝撃のラストから佐伯によりバスジャック事件の真相が明かされていく。たった一人の少女を守りたかった、でもそれは杏の指摘通り佐伯の独り善がりな部分も多かったのかもしれない。初恋の少女に再会したことで佐伯が色々とふっ切れたのは良かった、後は詠葉に対してどう接していくか。
なぜ「ひーちゃん」呼びが絶対なのかが判明、ひーちゃんには罪はないし犯人の行動は常軌を逸してるけど同情できる部分もあるところがややこしい。終盤は杏と詩季の不思議な夫婦関係がクローズアップされていく、杏が抱える歪みとは何なんだろうか。次も楽しみ。

薬屋のひとりごと 8 (★★★★☆)

◼あらすじ
毒で体調を崩した姚が医局勤めに戻れるようになった頃、猫猫のもとに大量の書物が届いた。送り主は、変人軍師こと羅漢。碁の教本を大量に作ったからと猫猫に送り付けてきたらしい。興味がないので売り飛ばそうと考える猫猫の考えとは裏腹に、羅漢の本によって、宮中では碁が流行していった。一方、壬氏はただでさえ忙しい身の上に加えて、砂欧の巫女の毒殺騒ぎや蝗害の報告も重なり、多忙を極めていた。そんな中、宮廷内で碁の大会が企画されていることを知った壬氏は、羅漢のもとに直接交渉をしかけに行く。開催場所を壬氏の名前で提供する代わりに、さぼっている仕事をこなすように説得するのだが―。

◼感想
シリーズ8冊目。正に表紙の通りで壬氏が猫猫を妻にする為に外堀を埋めていく、その方法が予想外で猫猫はもう知らんぷりは出来ないだろう。阿多との約束を守れなくなった皇帝はどんな思いなのだろうか、この二人の幼少期のエピソードが好きなので二人が一緒にいるところがみたい。変人軍師はやっぱり変人だけど凄い人なんだなと。
そして飛蝗による農作物の被害と玉葉妃 の親族の問題が浮き彫りに。玉葉妃が才色兼備なだけに兄の性格の悪さが目立ちます。不安を感じる玉葉妃、確かに猫猫がいれば頼もしいよね。兄からの手紙を踏み潰したのは決別の現れなのだろうか。壬氏の頑張りに拍手をしつつ読了。

幻想古書店で珈琲を 【番外編】賢者からの贈り物(★★★★☆)

幻想古書店で珈琲を 【番外編】賢者からの贈り物 (ハルキ文庫)

幻想古書店で珈琲を 【番外編】賢者からの贈り物 (ハルキ文庫)


◼あらすじ
本や人との「縁」で紡がれた不思議な古書店『止まり木』。この店で働く名取司は、自分の小説を出版するため、懸命に執筆を続けていた。そのひたむきな姿に触発され、古書店の店主であり、魔神の亜門は本の出版というものに興味を抱き、ある場所へと向かった―。(「第一話亜門、初めての同人誌即売会」より)。人気キャラクターが織りなす、笑えて、心がほっこり温まる五つのストーリー。幻想古書店シリーズ、ファン待望の番外編、はじまり、はじまり~!!

◼感想
最終巻のその後を描く番外編。司と亜門、コバルト、アスモデウスがメイン。第一話は亜門が初めてコミケへ行くお話、司が必死に止めようとするのが面白かった(笑)「腐女子」を「婦女子」に変換してしまうような亜門が汚れなくてひと安心。亜門が楽しめたなら何より。
第二話は自由奔放なコバルトが本領を発揮、結局のところあれは司の夢なのか本当に不思議な世界に行ってしまったのか。幕間の三谷が出会った男性も謎のままで気になる…。第三話は司がアスモデウスに振り回される話(笑)やはり亜門が一番だが司とアスモデウスのコンビも好きです。本がきちんと持主の元へ戻ってめでたしめでたし。また司たちの今後が読みたいです。

君がいた美しい世界と、君のいない美しい世界のこと(★★★★☆)

君がいた美しい世界と、君のいない美しい世界のこと (電撃文庫)

君がいた美しい世界と、君のいない美しい世界のこと (電撃文庫)

◼あらすじ
高校を卒業したばかりの春休み。最愛の人である三日月緋花里を病で亡くし、失意に沈む僕のもとに一通の手紙が届く。「世界を『リセット』して、もう一度あたしに会いに来い」彼女らしい突拍子もない内容を訝しみながらも、僕は一縷の望みを懸け彼女を取り戻す旅に出た。運命を『リセット』するためには世界で一番美しいものを探し出さなければならないという。猫のかぶりものをした怪しげな男・クレセントを道連れに、彼女との想い出の場所をめぐる旅路の果て、たどり着いた『リセット』の真実とは―?ワガママで破天荒な彼女と僕の最高に幸せで甘苦い恋の顛末は、あなたの目で確かめてほしい。

◼感想
最愛の彼女・緋花里を病で亡くして落ち込んでいる日野の元へ一通の手紙が届くところから始まる切ないラブストーリー。クレセントと共に緋花里と過ごした思い出の場所へと足を運ぶことに、どのエピソードも甘酸っぱくて二人の幸せに満ち溢れている姿を想像できてしまうのが切ない。 緋花里の自分が死ぬなら好きな人も道連れにしたい、と思ってしまうのは自然なことのように思える。
二人の思い出を辿っていく中で「リセット」の意味に気付いたユウト。緋花里からの最後のメッセージはユウトを大切に想う気持ちでいっぱいでうるっときた。ユウトは今後どのような道を歩のか、それが少し心配ではある。クレセントには「お疲れ様」と言いたい。

利他的なマリー(★★★★☆)

利他的なマリー (電撃文庫)

利他的なマリー (電撃文庫)

◼あらすじ
ここカスミシティでは、若者たちは株式会社のように自分をRELEASEという市場に上場し、時価が付けられる。そのカスミシティで事件が起こる。謎のアプリ“パノプティコン”が若者のデバイスにインストールされ、街がバトルフィールドに一変。他人を倒してその価値を奪う争いが始まったのだ。それは言わば億単位の金が平然と動く鬼ごっこ!そんな状況に突如巻き込まれたユウスケは、危機一髪のところをクラスメイトの少女マリーに助けられる。普段は孤立し、RELEASEというシステムからも逸脱しているマリー。はたして彼女は何者なのか。その事実が明かされるとき、もうひとつの真実が明かされる!?

◼感想
自分をRELEASEという市場で売り出し、お金を稼ぐカスミシティが舞台。舞台装置の歪みを上手く利用している作品だなと思う。ミステリアスなヒロイン・マリーの秘密が暴かれる度に事態は深刻化していく。彼女はなぜこれほどまでに世界を救おうとするのか、健気な姿に胸を打たれつつもつい疑問に思ってしまう。
最後の展開に関してはリリカの明るさに救われる部分が多かったなと。そりゃあこんな町にいたら精神崩壊しても不思議ではない、でも某キャラには自分の良さに気付いてほしかった。マリーの秘密を知ってもそばにいることを選択したカナタ、二人の未来に幸あれ。

これは経費で落ちません! 5 ~落としてください森若さん~(★★★★☆)

◼あらすじ
真夕が経理部に異動してきて一カ月半。異動直後にミスをしてからは、数字が怖くて仕方がない。そんな真夕のストレス発散を兼ねた趣味は、ヴィジュアル系バンドの追っかけだ。イチオシはCAROLINEのボーカル“アレッサンドロ”。追っかけ仲間からアレッサンドロも参加すると噂の、複数バンドの合同打ち上げに誘われ?森若さんをとりまく天天社員の人生模様。

◼感想
今回はサブキャラ視点の短編集。共感できるキャラもいれば理解不能なキャラもいて色々な考え方があるものだと思いながら読了。異動経験が数回あるので真夕の気苦労はよく分かる、森若さんみたいに優秀な人がいれば余計にプレッシャーになるよね。山崎は苦手なキャラ、こういうのが仕事場にいたら関わりたくない。一番はなんといっても馬垣だが。
平松さんは応援したくなるキャラ、自分の好きなことを自由にしてほしいです。妹と愛美はお金を返そうよ。田倉の話は本当にロマンチック、やってることは倫理的にアウトなんだけどね…。普段無愛想なキャラがここまで動揺する姿を見れるのは面白い、幸せになってほしいな。