俺を好きなのはお前だけかよ(12)(★★★★☆)

◼あらすじ
修学旅行で北海道へと訪れたジョーロ達。だがそこには予期せぬ事態が……?激動の体育祭、そして『繚乱祭』を終えた俺達、西木蔦高校二年生は、修学旅行で北海道の札幌市を訪れることに。だがそこには、何故か居るはずのないアホな後輩とアホな先輩の姿が!まあ、ここまではある意味で想定内の想定外だったんだが――「問題ですっ。私は一体誰でしょうっ?」「は? いや、えっと……誰?」「貴方を大好きな女の子ですっ」まるで絵画から飛び出したかのような美女が今、俺に愛の言葉を囁いたのと同時に頬へ柔らかな感触を伝えた――え、何この超想定外の状況? 今回も間違いなく色々ありそうだぜ、なぁひまわり……。

◼感想
今回は修学旅行編。ジョーロの過去に暗い影を落とすライラックが登場。ジョーロに猛アッタクをして思い出作りをすることになったライラック、彼女の真意も物語が進むにつれて明かされていく。そしてあらすじでひまわりの離脱を懸念していたが…、最後に背中を押した某キャラが良い仕事をしていた。
ジョーロの約束の変更は良かったと思います、ライラックの言う通りきちんと一人一人と向き合ってほしい。でも現時点ではジョーロの思い人が誰だかさっぱり分からん、これで友人枠の椿だったら面白いけどないな。前回の出来事からチェリー少しずつ前へ進んでいるようでひと安心。

三日月邸花図鑑 花の城のアリス(★★★★☆)

三日月邸花図鑑 花の城のアリス (講談社タイガ)
◼あらすじ
「庭には誰も立ち入らないこと」―光一の亡父が遺した言葉だ。広大な大名庭園『望城園』を敷地内に持つ、江戸時代に藩主の別邸として使われた三日月邸。光一はそこで探偵事務所を開業した。ある日、事務所を訪れた不思議な少女・咲は『半分この約束』の謎を解いてほしいと依頼する。彼女に連れられ庭に踏み入った光一は、植物の名を冠した人々と、存在するはずのない城を見る。

◼感想
亡き父が遺言で入ってはいけないと遺した広大な庭園、そこに残された少女達にまつわる謎がストーリーの主軸。物語を読んでいく内にやはり生きている世界が違う以上一緒にいることは難しいのだなと思ったのが率直な感想。それでも互いを思い合った時を胸に刻むキャラ達が素敵だなと。
終盤にて犠牲になった咲の境遇を悼んでいる光一が印象的でした、周囲の波に合わせながら生きている印象が強かったので彼の人間的な部分が見れて親しみやすくなった。数馬のツンデレ具合が好きでした。光一には約束通りいつか囚われている咲を解放してあげてほしいです。

妖姫ノ夜 月下ニ契リテ幽世ヲ駆ケル(★★★★☆)

妖姫ノ夜 月下ニ契リテ幽世ヲ駆ケル (電撃文庫)

 

◼あらすじ
大正十三年、春。少年、椚雪緒は、上京した先の夜鳴川邸にて美しき白蛇に出会う。彼女は父である八頭八尾の大蛇、「十六夜」の決めた縁談から逃れるため、妖相手に商売をする「化猫堂」へ助力を求めに来たと云う。化猫堂の店主、夜鳴川夜霧と猫のミタマ様に連れられて、雪緒は妖達の住まう「常夜之町」へ乗り込むが、そこは人の世の常識が通じぬ異境だった―!関東大震災後の横浜を舞台に、人と妖の縁を紡ぐ大正伝奇浪漫。

◼感想
大正時代を舞台にした妖もの。妖を見ても動じない体術無双の主人公・雪緒の器の大きさが羨ましい。姫に対しての言葉も彼の真摯な思いが伝わってきて好きなってしまうのも仕方ない、姫はこれからどんどんヤンデレ化していくのだろうか(笑)マスコットキャラ的なミタマ様が可愛かった、夜鳴川が崇めるだけの何かがあるのかは今のところ不明なので今後に期待。
糸締の正体や十六夜のご乱心の理由は意外でした。でも蜂月以外の息子が見事に使えなさそうなので試してみたかった理由は分からないでもない。確かに姫としっかりしたお婿さんに任せた方が無難だよね。面白かったのでぜひシリーズ化してほしい。

 

ブラッド・ブレイン3 闇探偵の旋律(★★★★☆)

ブラッド・ブレイン3 闇探偵の旋律 (講談社タイガ)
◼あらすじ
凶悪犯罪者の脳を調べるために設立された脳科学医療刑務所。厳戒態勢の所内は、殺人事件をきっかけにコントロール不能に。収監者を率い脱獄を試みるのは、美貌の天才犯罪者。迎え撃つのは、“警察官五人殺し”の「闇探偵」月澤凌士と刑事の百成完。閉鎖空間で繰り広げられる異能の囚人たちとのデスゲーム。その中で月澤の絶望的な過去と黒幕の存在が明らかになっていく…。

◼感想
シリーズ3冊目。刑務所という閉鎖空間の中で行われる囚人とのデスゲームに巻き込まれた百成、決別したと思った月澤と再度コンビを組んで脱出を図ることに。こんな濃い囚人達の中でもやっぱり月澤さんは別格だなと、百成もきちんと月澤から学んで実地で生かしているのが凄い。寺河を含めて囚人達の最期が思ったより呆気ない。
そして何故月澤は警官5人を殺したのか、その凄絶な過去に胸が痛んだ。私利私欲の為に大事な家族を殺されたら踏みとどまれないことを責められない。ラストはやっと自由になれて良かった、最悪の展開も予想していたので。いつかまた百成とも再会してほしいな。

ラストラウンド・アーサーズ4 最弱の騎士と最も優れた騎士(★★★★☆)

ラストラウンド・アーサーズ4 最弱の騎士と最も優れた騎士 (富士見ファンタジア文庫)
◼あらすじ
「ごめんね…凛太朗君…私…約束…守れなかった…」魔人の力を引き出し覚醒したことで、瑠奈に振り回される賑やかで騒がしくもどこか心地よい日常を取り戻した凛太朗だったが、その代償によって那雪は世界から消失してしまったことを知る。彼女を救い出す唯一の方法は聖杯を手にすること。しかし伝説時代のアーサー王すら手に入らなかった聖杯の探索は、凛太朗たちの想像も超えた困難なもので―。「私が、貴方を家臣にするのに相応しい、世界一の王になれるってこと…貴方に証明するわ」聖杯を巡りすれ違う想いはアーサー王とマーリンの命を懸けた決闘にまで発展してしまい!!

◼感想
シリーズ4冊目。今回は那雪救出イベントとケイ卿覚醒がメイン。この世から存在を消されてしまった那雪を救うために聖杯探索に挑む凛太朗たち。聖杯の力に呑み込まれてしまった凛太朗を見事に剣の勝負で救った瑠奈のガッツはさすが。那雪には過去を悔いるばかりではなく、現在の凛太朗との付き合いを大切にしてほしい。
自分なりのやり方で瑠奈を支えることを決意したケイ卿、凛太朗と自分を比べて落ち込む場面があったのでこういう形でパワーアップして良かった。大切な人の為に無欲で犠牲になれるとかすごいよ。ちゃっかりガラハッド卿を仲間にするのはいかにも瑠奈らしい。最後も続きが気になる終わり方だったので待ち遠しいです。

魔弾の射手: 天久鷹央の事件カルテ(★★★★☆)

魔弾の射手: 天久鷹央の事件カルテ (新潮文庫nex)
◼あらすじ
廃病院で相次ぐ転落死。不可視の“魔弾”とは? 西東京市に聳える時計山病院。十一年前の医療ミスで廃院に追い込まれたこの場所で、一人の看護師が転落死する。死亡状況や解剖結果から自殺が有力視される中、娘の由梨だけはそれを頑なに否定した。天医会総合病院の副院長・天久鷹央は彼女の想いに応え、「呪いの病院」の謎を解くことを決意する。死体にまったく痕跡が残らない“魔弾”の正体とは? 現役医師が描く医療ミステリー!

◼感想
廃病院で次々と起こる転落死、全て自殺と断定されていたが母親を亡くした少女の訴えを聞いて鷹央達は調査をすることに。前半は鷹央がまさかのインフルエンザでムードメーカーの鴻ノ池が目立っていました、鴻ノ池が統括診断部に来れば賑やかになりそう。何気に天久姉妹のやり取りが好きです。
被害者の死因である病気については医療知識がないので「成程」と思うしかない。犯人がコンプレックスの塊で言ってることが自分勝手過ぎる。ただでさえ癌で残された時間が少なかったのに…、由梨が可哀相過ぎる。でも彼女なら逞しく生きてくれそう、鷹央に恋のライバル出現ですね(笑)

死体埋め部の悔恨と青春(★★★★☆)

死体埋め部の悔恨と青春 (ポルタ文庫)
◼あらすじ
英知大学に入学したばかりの祝部は、飲み会の帰りに暴漢に襲われた末、誤って相手を殺してしまう。途方に暮れた祝部を救ってくれたのは、同じ大学の先輩だという織賀だった。しかし死体の始末を申し出てくれた織賀の車には、すでに別の死体が乗っており、祝部は秘密裏に死体の処理を請け負っている織賀の手伝いをする羽目に。そのうえ、織賀が運ぶ“奇妙な死体”がなぜそんな風に死んだのか、織賀を相手に推理を披露させられることになるのだが…。繰り返される『死体遺棄』の末に祝部と織賀を待ち受けるものはいったい何か―。気鋭の作家が描く、異色の青春ミステリー。

◼感想
暴漢に襲われて抵抗したら誤って相手を殺してしまった祝部、織賀という同じ大学の先輩に目撃されてしまったことから祝部の人生は異様なものになっていく。やっていることは「死体遺棄」という道徳的に許されないことだけど死体埋め部としての二人は間違いなく青春を楽しんでいたと思う。二人のミステリ染みた会話の駆け引きは好きでした。
頭のネジが何本か抜けている織賀、それでも最後の彼の行動は先輩らしくて二人の間には確かに愛情があった筈。すれ違いによる仲違いが悲しかった。最後のあれは希望と絶望どちらなのか、願わくばまた二人で笑って会話している姿が見たいです。