カカノムモノ3 :呪いを欲しがった者たち(★★★★☆)

カカノムモノ3―呪いを欲しがった者たち―(新潮文庫)
■あらすじ
母なる女神よ俺の声は届いていますか? 生きることに前向きになり始めた碧だったが、一方で相棒の桐島の元に不穏な影が迫っていた。彼の過去を無遠慮に暴き立てるその人物の目的もわからないまま、桐島は追い詰められていく。あえて遠ざけられた碧は、従兄の涼から、カカノムモノを呪いから解放するための衝撃的な方法を告げられる。はたして碧はどんな決断を下すのか。そして呪いの意味とは──。シリーズ最終巻。

■感想
シリーズ3冊目。律の過去から始まり、最終的に暴走する涼を止める為に碧逹は奔走する。なぜ自分は選ばれなかったのか、そんな心のしこりを抱えながら感情が欠如していることも相まって自分が分からなくなる涼。碧が人間でいることを選択してくれて良かった、やっぱり桐島さんの影響が強いんだろうな。涼には律と一緒に穏やかに生きてほしい。
魚に還ることこそが女神の慈悲、という正解に成る程と納得。最後に碧が桐島さんに素直に甘えていたのが微笑ましい、二人には末長く付き合ってほしい。水琴メインの短編は本編と雰囲気が違って明るくて調度いい塩梅でした。