吸血鬼にご用心(★★★★☆)

吸血鬼にご用心 (マイナビ出版ファン文庫)

■あらすじ
この街には、吸血鬼が出るらしい――歴史ある高台の高級住宅街がある熱釜市。そこで一際大きな屋敷に住む花京院家当主・健吾。そんな彼の世話係兼花京院家の有能な執事である烏丸怪は、実は――吸血鬼だった! ?ある日の朝、健吾が急いで大学に向かっていると路地裏で頭を強打された女性の遺体を見つけてしまう。その遺体の首には、吸血鬼に噛まれたような二つの穴が開いており…。事件を呼び寄せてしまう健吾が有能な吸血鬼執事の烏丸とともに事件の真相を解明していくヴァンパイアミステリー


■感想
事件を呼び寄せてしまう体質の健吾は自分の血と引き換えに吸血鬼である烏丸に事件の真相を解明してもらう契約を交わすことに。ライトな切り口でミステリ部分も分かりやすく、サクッと読めます。幼い頃からこれだけ面倒事に巻き込れているのに真っ直ぐで優しく育っている健吾は誇っていいと思う。
重点はやはり後半の健吾と烏丸の主従関係でしょうか。あくまで契約だから健吾とはドライな関係でいようとする烏丸が自分の感情に苛つきながらも行動するところに最大の萌えを感じます。ガブッと容赦なく血を吸うのが烏丸らしいなと。この主従コンビは成長途中のようですし、行方不明の父親も気になるので続編希望です。