君のせいで今日も死ねない。(★★★★☆)

君のせいで今日も死ねない。 (富士見ファンタジア文庫)

■あらすじ
飛び降りそうだった美少女を、幸せな日常へと導く青春譚。陰キャでも陽キャでもない、カーストもそこそこの俺。けれどある日、屋上でばったりと「神に愛された完璧な美少女」と名高い三峰彩葉が飛び降りようとしているところに遭遇する。「放っておいて。私、もう死ぬんだから」そんな彼女を止めて以来、二人で過ごす日々が始まった。空き教室でピザを食べたり、夜のプールで花火をしたり。「私、君といるのが楽しいのかも」「君のせいで死ねないじゃん」他人の視線に怯えつつも、そっと心を開いてくれた三峰。“完璧な自分”の仮面を取った彼女は、子どもっぽくも可愛くて――。これは悩める美少女を、平凡で幸せな青春へと導く物語。

■感想
目の前で憧れの少女が自殺しようとしている現場に居合わせてしまった主人公。彼女を死なせない為にありとあらゆる方法で生きてもらおうと模索していく。キラキラした宝石のような青春模様と彩葉が抱える優等生ならではの重責を塩梅良くストーリーに落とし込んでいて、軽過ぎず重過ぎずの絶妙なラインだった。
A君は本当に頑張った!、その一言に尽きると思う。自分の好きな人がいつ死ぬかわからないような不安を抱えながら支え続けるのは精神的にかなりキツイじゃなかろうか。両思い後のラブラブな二人を見れて安心しました。どうぞお幸せに!