四元館の殺人 ―探偵AIのリアル・ディープラーニング(★★★★☆)

四元館の殺人―探偵AIのリアル・ディープラーニング―(新潮文庫)
■あらすじ
「犯罪オークションへようこそ! 」 犯人のAI・以相(いあ)が電脳空間で開催した闇オークション、落札したのは、従姉を何者かに殺され、復讐のための殺人を叶えたいというひとりの少女だった!?以相による殺意の連鎖を食い止めるべく、探偵のAI・相以(あい)と助手の輔(たすく)がわずかな手がかりを元に辿り着いたのは――雪山に佇む奇怪な館「四元館(よんげんかん)」だった。そこに住まう奇妙な四元(よつもと)一族と、次々巻き起こる不可思議な変死事件……人工知能の推理が解き明かす前代未聞の「犯人」とは!? 本格ミステリの奇才が“館ミステリ"の新たなる地平を鮮烈に切り開く、傑作長編。

■感想
シリーズ3冊目。今回の舞台は雪山に佇む奇怪な館。遺産相続を巡る一族の思惑と館に閉じ込められる展開は定番ながらもワクワクしてしまう。前回の以相との勝負を引摺りつつも輔と共に事件を解決しようとする相以。解決編で以相との勝負よりも人命を優先させて素直に頭を下げる相以が印象的でした、感情面も成長してるのかな。
トリックは壮大でこの著者らしいなと。AIがここまで進歩しているとか末恐ろしい。この建物には娘を思う母親の情念が込められているのか…。お茶目なメイドさんが良い味出してました。次の展開に期待してます。