■あらすじ
辰巳祐司は国語科のセンセイ。ゆえに言葉で、こじれた心と謎を解く。彼は校内の階段で負傷した女生徒を見つける。彼女はなんらかのトラブルに巻き込まれて階段から落ちてしまったようだが……。事情を調べていくうちに見えてくる、複雑な恋愛模様や家庭事情。それはどこか、森鴎外の『舞姫』のストーリーと重なっていく。教科書に載っている日本の名作文学と高校生活がリンクする青春恋愛ミステリー。
■感想
文学×ミステリなら読むしかない!と思って試しに上巻だけ購入。国語担当の辰巳先生が文学作品になぞらえて学校で起きた事件を解決していく。「舞姫」「羅生門」「竹取物語」など馴染み深い作品ばかり、辰巳先生が丁寧に解説してくれることで物語の奥深さを味わうことができる。
「舞姫」は主人公の優柔不断さに苛ついた覚えがありましたが、それはヒロインのエリスの美しさを引き立たせる為でもあったんですね。作者のヒロインへの思いが伝わってきました。でも先生が生徒にあんなことしちゃダメだろ。「竹取物語」は気になるところで下巻へ続く、辰巳先生が恋をしない理由とは…?円城父の横暴なやり方にはウンザリだわ。