後宮の烏5(★★★★☆)

後宮の烏 5 (集英社オレンジ文庫)

後宮の烏 5 (集英社オレンジ文庫)

■あらすじ
高峻は寿雪を救い出すため、もっとも険しい道を選び、進んでいく。この秋、宮中は慶事に沸いた。同じ頃、先の騒動の影響で夜明宮は、ひっそりと静まり返っていた…。烏妃はひとりで在るもの。先態、烏妃の戒めが、寿雪の胸を刺す。だが寿雪は、抱えたものを守り通すため、突きつけられた烏妃としての切ない運命に対峙することを決めて―。激動の第五弾!

■感想
シリーズ5冊目。寿雪を烏妃としての使命から解放する為に高峻は着々と準備を進めていく。もし寿雪が自由になれたら…、彼女のことを真剣に思うがゆえに別れを決意をしている高峻の胸中はどれだけ辛いことか。それは高峻の考えを知った寿雪も同じこと、寿雪を自分の「半身」だといった高峻の例えが心に響く。
麗娘の愛情の深さにホロリ、寿雪はもちろんのこと寿雪の周囲の人々にも幸せになってほしい。終盤は急展開でそう簡単に結界が破れるはずもなく、烏妃から解放される道程は険しい。それでも高峻の隣で寿雪が笑っている未来を信じたいと思います。