蟲愛づる姫君の永遠(★★★★☆)

■あらすじ
無自覚に夫を翻弄する蟲大好き姫・玲琳にどこまでも振り回される魁国の王・鍠牙。彼はただひたすら妻を愛しているつもりなのだが、その後宮を構成する数少ない女性陣は、諸事情により全員が全員、キャラと背負ったバックグラウンドが濃すぎて(正妃含む)、鍠牙本人の意志とはまるで関係ないところで日々、大変ややこしく人間関係がこじれていくのだった。そんなある日、飛国の第二王子・榮覇が、花嫁を探しに魁国を訪れる。本来ならば鍠牙の妹姫たちを候補に入れて訪問したはずの榮覇だったが、蠱師である玲琳をひどく気に入り、夫の鍠牙と離婚させてでも自分の国に連れ帰ると言い出す。鍠牙は当然激怒するが、肝心の玲琳が榮覇のことを面白がってしまい、悶々とする夫をしりめに自ら彼に攫われ、飛国へと旅立ってしまった。ところが、鍠牙の差し向けた追っ手をかわしつつ旅をしている途中で、榮覇は突然苦しみ始め、意識を失ってしまう。そして次に目覚めたとき、彼は触れるものをすべてを殺してしまう「毒の塊」に成り果てていた。何者かの蠱毒による攻撃と気づいた玲琳は、榮覇の受けた蠱術を解除しようとするが……? シリーズ第5弾!

■感想
シリーズ5冊目。玲琳も大概だけど鍠牙も十分狂っていると実感した回でした。新キャラの飛国の王子・榮覇もクセ者で、蠱毒を受けた彼を助けるために玲琳は実の祖母と対峙することになる。おしとやかになった玲琳の違和感が半端ない(笑)やっぱり玲琳はいつも通りの方が面白い。
榮覇が命を懸けて守りたいものは予想通り、いっそのこと駆け落ちでもしてしまえばいいと思う。玲琳が次の里長になることで良い方向に変わっていくといいですね。乾坤の葉歌への想いにときめいた、まともなキャラいた…!玲琳と鍠牙の関係も一区切りついて一件落着。