蟲愛づる姫君の純潔(★★★★☆)

■あらすじ
魁国の若き王・楊鍠牙と、毒蟲好きの妃・李玲琳。完全なる政略結婚から始まったこの婚姻関係は、当人たちにしか分からない謎の絆で、どうやらうまくいっているようだ。ある日、王宮に衝撃の報告がもたらされる。旅先で死んだはずの鍠牙の妹・累姫が突如帰還したというのだ。しかし心身ともに深く傷ついた累姫は、どんな医師の治療も受け入れない。万策尽きた臣下たちは玲琳に姫の問診を願い出る。ところが兄である鍠牙は玲琳が妹に接することを快く思っていない様子で…?変わり者王妃と不幸体質国王の、最高に“変”な夫婦物語、風雲急を告げる第4弾!!

■感想
シリーズ4冊目。旅先で死んだはずの鍠牙の妹・累姫が帰還した。癇癪持ちで扱いづらい彼女が抱えた闇が根深くて、夕蓮という女の恐ろしさを改めて実感した。せめてこれからは安らかに暮らしてほしい。鍠牙の玲琳への執着っぷりがどんどん酷くなっているのが何ともいえない。玲琳に構ってもらえなくて暴走気味の里里が新鮮で可愛かったです。
玲琳がきっぱりと拒否した蟲師の一族とは今後どうなるのだろうか。外伝を読むと夕蓮にとっての先王は鍠牙にとっての玲琳に通じるものがあって、先王が亡くなったことで夕蓮の中のストッパーが外されてしまったんだろうな。