豚のレバーは加熱しろ(★★★★☆)

豚のレバーは加熱しろ (電撃文庫)
■あらすじ
豚のレバーを生で食べて意識を失った、冴えないオタクの俺。異世界に転生したと思ったら、ただの豚になっていた!豚小屋で転がる俺を助けてくれたのは、人の心を読み取れるという少女ジェス。ブヒッ!かわいい!豚の目線なら、スカートの裾からチラリと純白の…。「あの、心の声が聞こえていますが…」まずい!欲望がだだ漏れだ!「もしお望みでしたら、ちょっとだけなら」え、ちょっ…!?まるで獣のような俺の欲望も(ちょっぴり引き気味ながら)受け入れてくれる、純真な少女にお世話される生活。う~ん、豚でいるのも悪くないな?これはそんな俺たちのブヒブヒな大冒険…のはずだったんだが、なあジェス、なんでお前、命を狙われているんだ?第26回電撃小説大賞“金賞”受賞作!

■感想
タイトルとのどかな表紙に反して内容はいたって真面目。迫害を受けるイェスマという種族である少女・ジェスを救うために豚に転生した主人公が奮闘する。ジェスが天使過ぎて眩しい…!ジェスは人の心が読めるので主人公の欲望もだだ漏れ、「括弧をつける部分以外、俺の思考は知らなかったことにしてくれ」が面白かった。理系の知識を駆使してジェスの為に戦う豚が男前、豚だけど!
イェスマである少女達が迫害を受けるようになった裏側にある隠された真実に憤りを感じる。要は取捨選択をしたのだろうけど、ブレースのようにボロボロになってしまった少女が殆どだと思うと…。最後の涙のお別れにはうるっときた、綺麗に纏まってると思ったけど2巻もあるそうです。