恋に至る病(★★★★☆)

恋に至る病 (メディアワークス文庫)
■あらすじ
やがて150人以上の被害者を出し、日本中を震撼させる自殺教唆ゲーム『青い蝶』。その主催者は誰からも好かれる女子高生・寄河景だった。善良だったはずの彼女がいかにして化物へと姿を変えたのか―幼なじみの少年・宮嶺は、運命を狂わせた“最初の殺人”を回想し始める。「世界が君を赦さなくても、僕だけは君の味方だから」変わりゆく彼女に気づきながら、愛することをやめられなかった彼が辿り着く地獄とは?斜線堂有紀が、暴走する愛と連鎖する悲劇を描く衝撃作!

■感想
自殺教唆ゲーム「青い蝶」を作り上げた少女と彼女に恋した少年の行く末を辿っていく。読み手によって解釈が別れる作品、でもあとがきにある通りきちんと正解は本編に散りばめられているんだろうなと。実際の事件をモチーフにしているらしく景が行った心理操作がエグかった。絶対に関わりたくない。
最後まで景のヒーローであり続けた宮嶺の奮闘を思うとそこに愛はあったんだと思いたい。でも最後の消しゴムの描写で力尽きた。やっぱり一番共感できるキャラは入見さん、だってどうしたってこの人が言ってることが正論だもの。「景」というヒロインをどう解釈すべきか、凡人以下の私には難しかった。