シェイクスピア警察 マクベスは世界の王になれるか (★★★☆☆)

シェイクスピア警察 マクベスは世界の王になれるか (集英社オレンジ文庫)
◼あらすじ
偉大なる劇作家シェイクスピアが没しておよそ四百年。優れた戯曲であるがゆえに、原型を留めないほど改変されてしまう現実を嘆いた女王に端を発し、シェイクスピア演劇を監視する『国際シェイクスピア法』が英国議会で制定されて十年。日本でも文部科学省内に国際シェイクスピア警察課が設置されて五年。学生演劇界にその名を轟かせた鬼武丸天道は、前途を嘱望されながらシェイクスピア警察となっていた。一方、天道と並び称された遮那王空也は、自由な表現を求めてシェイクスピア・テロリストとなり、地下公演を繰り返している。どんな運命のいたずらか、そんな二人が再会し……!?

◼感想
物語の世界観が凄く作り込まれていて独特の雰囲気を味わうことができた。シェイクスピア法に則り原典以外での演劇を認めない天道、そして作品を自分なりに潤色する空也の対立がメイン。最後の二人の共演で空也はやっぱり天道と一緒に演劇をやりたいんだろうという気持ちが伝わってくる。たとえ背中越しだとしてもずっと互いの存在を意識し続けるんだろうな。
保護者役の美夜と公一朗にはお疲れ様をいいたい。三婆のキャラが地味に強烈(笑)惜しむらくは私がシェイクスピアをまったく知らないこと、当たり前ですが知っていた方が楽しめます。私は所々で置いてきぼりにされてしまったので。