すべては装丁内(★★★★☆)

すべては装丁内 (LINE文庫)
◼あらすじ
「何なの、あのドSデザイナー!」学央館書房の新人編集者・甲府可能子は憤っていた。編集長から紹介を受けた装丁デザイナー、烏口曲に企画していた詩集の装丁を即刻で「やらない」と断られたからだ。曰く、可能子の装丁に対する考えの甘さが原因らしいが……実はこの烏口、理路整然に上から目線で仕事を選ぶ、業界内でも有名なドS&偏屈男だった!果たして可能子は無事装丁の依頼を引き受けてもらい、本を刊行できるのか?装丁の奥深い世界、そして今を働くすべての人に勇気をお届けする、お仕事エンターテイメント!

◼感想
本の装丁をテーマにしたお仕事小説。本好きとしては興味深い内容で、王道展開ながらも一生懸命な主人公・可能子が思わず応援したくなるようなキャラで面白かったです。一つの本を出版するのに著者・イラストレーターだけではなくたくさんの方が関わっているのを改めて感じました。だからこそ編集者はそれを一つの形にするのに多大な労力を使っているんだなと。
烏口の仕事にシビアな点は好感が持てます。城所先生の心を解かしたのは凄い、自分の作品が大切なのは当たり前。最後はちょっとラブコメっぽかった(笑)烏口と編集長の確執も気になるので続きがあったら読みたいです。