異世界落語 6 (★★★★☆)

異世界落語 6 (ヒーロー文庫)
◼あらすじ
現代の噺家・楽々亭一福は、マドカピア王国でも変わらずに落語を披露し続けていた。一福を気に入っているモーニングラウンド王は、正式に宮廷ハナシカにならないか、と持ち掛けるのだが、一福はその誘いを断ってしまう。「自分は落語をやるだけ」というスタンスを頑なに崩さない一福に疑問を抱いたアヤメは、闇魔法を使って寝ている一福の過去を覗き見る。そこに見たのは師匠の七福や弟弟子の多ら福とともに、平和な世界で落語を披露している一福の姿だった。しかし、一福の幼馴染の女性、小春の婚約を巡って、事態は想定外の方向に動いていき―。

◼感想
シリーズ6冊目。自分には落語だけ、周囲を落語で魅了しつつもどこか一線を引いていた一福の過去が明らかになる。アヤメの魔法によって明かされた一福の過去は想像以上に重いもので厳しく言ってしまえば逃げているのだけれど、アヤメがガツンとぶつかって一福を目覚めさせてくれて良かった。「私が側にいると、約束します」はプロポーズでいいと思うよ。
それに比べて闇に呑まれて暴走してしまったラッカ、出自が明らかになり闇堕ちしそうなクランエが心配です。自分の問題と向き合うことができた一福がどんな落語で異世界を救うのか楽しみです。