妖奇庵夜話 誰が麒麟を鳴かせるか(★★★★☆)

◼あらすじ
ヒトと僅かに異なる存在、妖人。SNSで妖人差別発言を繰り返していた男が殺された。遺体には、刃物で刻まれた謎のメッセージ。刑事の脇坂は、被害者と関わりのあった妖人団体を訪ね、沖縄へ飛ぶ。捜査線上に浮かんだ宗教法人では、17歳の美少女が“麒麟”として崇拝を受けていた。けれど洗足伊織は、妖人・麒麟の存在をきっぱり否定、彼女が洗脳されている可能性を示唆し…。クライマックス直前!大人気、妖人探偵小説第7弾。

◼感想
シリーズ7冊目。今回は「洗脳」がキーワード、新たな黒幕が登場してラストに向けて着々と進んでいる印象でした。心が抉れるような結末でたくさんの人を死に追いやった「鵺」の不気味さがよりひきたっていました。こんな雰囲気だからこそ脇坂のキャラは和みますね、小鳩と上手くいくのかな。
肝心の伊織は精神的に弱っていて心配でした。自分の大切な人を守りたい、でも青目のことを切り捨てることもできない。青目なら自分を危険から守ってくれる、と無意識に分かってしまっていた伊織。そこら辺の感情の決着は最終回までお預けですかね。二人が少しでも納得のいくラストでありますように。