妖怪解析官・神代宇路子の追跡 人魚は嘘を云うものだ(★★★★☆)

◼感想
鷹橋川で発見されたミイラ化した遺体の上半身と、それに合致する巨大な魚の下半身。怪事件に悩まされていた新米刑事の御堂陸は、手がかりを求め、美貌の科学者・神代宇路子の許へ押しかけることに。私生活はちょっぴりだらしないが、妖怪、特に人魚について語り出すと止まらない彼女は、陸が追う事件についても何か知っている様子で──。生真面目な刑事と妖艶な解析官が人魚の秘密を解き明かす! ……ただし、人魚は嘘をつくことがあるのでご注意を。

◼感想
人魚のようなミイラ化した遺体が発見されるが、自殺として処理されてしまう。納得のいかない主人公・御堂陸は同じく謎を追う科学者・神代宇路子と共に解決を目指す。人魚関連の蘊蓄が面白かった。個人的に知っているのは八百日比丘尼でしたが、様々なエピソードがあって興味深い。人魚の肉を食べれば治癒力が上がるが、その代償を宇路子や黒幕が身をもって体現しているのをみると恐ろしいと感じました。
正義感の強い御堂は社会で生きにくいだろうな、警察が腐っていたので彼がより眩しくみえました。やっぱりラスボスはあの人だったんだなと、ラストの展開は自業自得ですね。続きもかけそうな終り方だったのでもしあるなら買います。