- 作者: 清水朔
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2018/10/27
- メディア: 文庫
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「民族学ミステリ」というあらすじに惹かれて購入。物悲しい余韻が残る中で華族であり帝大講師の南辺田と書生の真汐の主従関係に癒されました。好奇心旺盛な南辺田に時には呆れつつも主人として慕う真汐が好青年。この島特有の葬送の仕方は火葬が普通と考えている私には受けいれられなかったけど、南辺田の言う通り一つの文化として尊重されるべきなのだろう。悪いのはそれを利用して罪のない少女たちを追い込んだ首謀者なのだから。
痣のからくりは科学的に説明されていて納得。終盤で真汐の正体が明かされ、彼は悲しい出来事と向き合わなくてはならなくなる。幸せになってほしかった、真汐の中はそんな気持ちでいっぱいだっただろう。シリーズ化されるなら続きを追いかけたい。