彼女のL ~嘘つきたちの攻防戦~(★★★★☆)

彼女のL ~嘘つきたちの攻防戦~ (ファミ通文庫)

彼女のL ~嘘つきたちの攻防戦~ (ファミ通文庫)

遠藤正樹は嘘がわかる特異体質で、川端小百合は決して嘘をつかない少女だった。そして学校のアイドル佐倉成美は、常に嘘をふりまく少女だった。ある日、川端と佐倉の共通の友人が亡くなってしまう。自殺という噂だったが川端は「彼女は殺された」と言い、佐倉も「彼女を追い詰めたのは私」とうそぶく。真相を知りたいと川端に頼まれた正樹は、その力で誰も知らない佐倉の心の内を知ってしまい――。願いと嘘と恋が交錯するトライアングルストーリー。

嘘が分かる俺と嘘をつかない少女と嘘つき少女の一人の死を巡るトライアングルミステリー。他人の嘘が分かる主人公・正樹、自殺したといわれる小林美沙は本当に自殺だったのか。仲のよい川端から真相を知りたいと頼まれた正樹は自殺の謎を知っているとされる学校の人気者・佐倉に接近する。嘘を嫌悪していた正樹がこの事件を通して、他人を幸せにする為の嘘もあると知れたのは大きな一歩だったと思います。父親との関係も少しずつ修復していってほしいです。
小林の川端への強い想いがきちんと川端に届いた結末で満足です。川端に現実を受け止めるだけの強さがあって良かった。恋愛方面はこっちなのか…。飾り気のない佐倉の方が素敵、最後は完全に正樹の心を射止めたのでは?