ラストラウンド・アーサーズ クズアーサーと外道マーリン（★★★★☆）

ラストラウンド・アーサーズ クズアーサーと外道マーリン (ファンタジア文庫)

生まれながらにして、すべてのことが出来すぎてしまうせいで空虚な日々を過ごす高校生、真神凛太朗。暇つぶしのため、あえて“最弱”と呼ばれる瑠奈=アルトゥールの陣営に加わり、来るべき世界の危機を救うため真なるアーサー王を決める“アーサー王継承戦”に参加することになるのだが…。「私のエクスカリバー…売って、お金に換えちゃったから」瑠奈は、聖剣を売り払い、召喚した“騎士”のケイ卿にはコスプレさせて利用したりするロクでなしで!?しかし絶望的な危機に瀕した時、瑠奈は凛太朗さえも認める強さを垣間見せ―。新たなるアーサー王伝説がここに始まる!

「ロクでなし」の著者の新シリーズ。個人的にはロクでなしの方が好きだが、この作品も十分面白い。アーサー王物語を下敷にしており、厨二病をくすぐる熱いバトル描写は一見の価値あり。ヒロイン・瑠奈はクズなところもありつつ、根本的な部分は王になるに相応しい性格の持主。振り回されるケイ卿は哀れだが…。
前世での記憶を持つ凜太朗もそれほど外道でもなく、瑠奈とは今後良いコンビになってほしいです。瑠奈とフェリシアの友情関係も良かった。冬瀬さんがアーサーの生まれ変りかゲームの参加者なのかと思った私は考えすぎだろうか。最後にきな臭い奴が近くにいることが判明したし！続きが楽しみです。