ロクでなし魔術講師と禁忌教典11(★★★★☆)

“フェジテ最悪の三日間”から始まった富国強兵の流れによって、アルザーノ帝国魔術学院に新学院長が就任する。武一辺倒の教育改革にグレンは反発するのだが…。そんな折、先の戦いの失態から、イヴが学院に左遷されてきて!?「いいわ。私も貴方に力を貸してあげる」―戸惑うグレンをよそに、改革の是非を懸けた『模範クラス』との決闘に向け、強化合宿を敢行。道を失ったイヴは、生徒たちとの交流を通じて、自分が本当は何を為したいのか気づきはじめ…。改革に伴う裏学院の開放。学院創世の闇に触れた時、代償とするのは、誰がための命―。

シリーズ11冊目。先の戦いでの失態により教師として学院に左遷されてきたイヴ、今まで短所ばかりが目立っていた彼女が教師として生徒たちと接することで大きく成長を遂げた巻でした。本当は世話やきで優しい面もあるのに、素直になれなくていちいち相手を威嚇しないと気が済まないイヴが可愛い。そんなイヴの性格を理解してついていこうとする生徒達も良い子だなと思います。
そしてアリシア三世が遺した「裏学院」の存在もキーポイント。禁忌教典については謎が深まるばかり…。今回の一番の見せ場はイヴが自分の身を犠牲にしてグレンや生徒達を助けた場面ですかね、イヴがグレンへと呟いた本心にグッときた。ルミアとシスティが危機感を感じるのも納得。今後のイヴの更なる活躍に期待したいです。