傭兵団の料理番 4(★★★★☆)

傭兵団の料理番 4 (ヒーロー文庫)

傭兵団の料理番 4 (ヒーロー文庫)

ニュービストでの騒動を終わらせたシュリたちガングレイブ傭兵団は、来たる冬へ向け、別の町で春まで過ごすことにした。到着した町で休息を取る傭兵団の元に、地元領主が訪れて戦の依頼をする。ガングレイブは気乗りしなかったものの、戦の規模と報奨金の額を提示され、冬越えに支障はないと依頼を受けた。しかし、これが後に大きな後悔となる。条件になかった領主の息子の指揮、提案の無視、罵倒、デタラメな戦略で戦況は悪化し、ついには敵の得意な山中へおびき寄せられる。相手の絶え間ない奇襲と強襲。しかも領主の息子が勝手に戦線を離脱。ガングレイブ傭兵団は戦場に取り残されてしまうのだった。

シリーズ4冊目。今回は戦場での交渉役、恋のキューピッドになるなどシュリが大活躍な回でした。料理の腕はもちろんのこと敵との交渉の際に冷静に分析して、話を進めるシュリの話術に驚き。そしてシュリの作った料理によって敵が味方になっていく展開は少しご都合主義を感じるものの心暖まる場面でした。
しかし頑張りすぎたせいかシュリは途中で倒れてしまう。本来は裏方であるシュリに無理をさせてしまったと悔やむクウガたち、出会って1年と少しなのにもかかわらず固い絆で結ばれている団員達が微笑ましい。自分の居場所をみつけたとはいえ、元の世界にあまり未練がないシュリがある意味すごい…。