火の中の竜 ネットコンサルタント「さらまんどら」の炎上事件簿(★★★☆☆)

パソコン教室の講師として平凡な人生を送っているぼく。だけど、ある日生徒から持ちかけられた相談で、ネットに潜むトラブルに巻き込まれることになる。32万アクセスの大炎上案件解決のためにぼくが頼ったのは、インターネットよろず相談所「さらまんどら」。火の中で生きる竜を自称する彼らは、自ら炎上に飛び込んでトラブルを解決するという。所長のオメガに仲間に引き入れられたぼくは、このトラブルの「非常識な解決」を目の当たりにする―。

ネットでの炎上事件を主に取り扱う相談所「さらまんどら」が舞台の話。正直オメガの喋り方があまり好きになれませんでしたが、彼の過去を知っていく内に段々とそれも彼の個性の一部だと理解できるようになりました。オメガの周囲にいるキャラたちも訳ありな子ばかりでクセのある人ばかり。そんな中語り部である「先生」が唯一の普通かと思いきや、この人も過去が思った以上にブラックでした。最後にオメガと二人で本音でぶつかり合っているのは彼にとって良い経験だったのではないかと。
ネットは顔が見えない分簡単に悪意が放てる場所、店に石を投げた中学生がオメガにより徹底的に仕返しされる場面はスカッとした。やっぱり静観しているだけでは駄目なんでしょうね。ネットという世界は便利であると同時に悪用されやすい媒体でもあると改めて痛感しました。